ジョン・ウィック:チャプター2

キアヌ・リーブスの映画を初めて見たのはマトリックスでした。

小学生の頃、父親の部屋で家族でCS放送で鑑賞したのが初めてでした。たしか4人掛けのソファーが部屋にあったんですけど、父が寝転がってソファーの2/3くらい使って俺と妹はフローリングの床に座らされた記憶がメチャメチャ強く残ってて、俺の中でのキアヌ・リーブス「膝の痛み」「反抗期のスタート」の1セットで記憶されてます。あとステーキ食って美味い美味いつって死ぬハゲ。

 

ジョン・ウィック:チャプター2

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解説
キアヌ・リーブスが伝説の元殺し屋に扮し、銃とカンフーを融合させた新銃術「ガンフー」を取り入れたアクションでヒットを記録した「ジョン・ウィック」のシリーズ第2弾。前作でニューヨークを舞台にロシアン・マフィアを相手に繰り広げた壮絶な復讐劇から5日後。平穏な生活を送りたいジョンは、イタリアン・マフィアのサンティーノからの殺しの依頼を断るが、それにより自宅を爆破されてしまう。ジョンはサンティーノへの復讐を開始するが、命の危険を感じたサンティーノに7億円もの懸賞金をかけられ、世界中の殺し屋から命を狙われる事態に巻き込まれてしまう。チャド・スタエルスキが前作に引き続き監督を担当。ジョン・レイグイザモ、イアン・マクシェーンら前作からのキャストに加え、グラミー賞ラッパーのコモン、「トリプルX 再起動」のルビー・ローズらがジョンを狙う殺し屋として出演。リーブスの代表作である「マトリックス」シリーズのローレンス・フィッシュバーンが独自の組織を束ねるキング役で出演。

 

監督 チャド・スタエルスキー 「ジョン・ウィック

脚本 デレク・コルスタッド 「ジョン・ウィック」「マキシマム・ブロウ」

撮影 ダン・ローストセン

編集 エバン・シフ

出演 キアヌ・リーブス 「マトリックス」「ハートブルー」「ノック・ノック」

   コモン 「ラン・オールナイト

   ローレンス・フィッシュバーン 「マトリックス」「ミスティック・リバー

 



70点

 

 2015年に公開された伝説の元殺し屋の復讐劇をキアヌ・リーブスが演じた前作ジョン・ウィックから2年、彼がまた帰ってきました。今回は犬もう完全に関係ない感じです。毎回どさくさに紛れてどうやっても犬が死ぬ映画もそれはそれで見たいですけどね。

前作で個人的に好きなのは序盤の展開です。亡くなった奥さんとの忘れがたい日々と、彼女が最後に自分の為に残した最後のプレゼントであった犬との新しい日々。これに加えて、彼、ジョン・ウィックという男は一体何者なのか?彼にとって奥さんとは一体どういう存在だったのか?奥さんから送られた犬に、彼はどういう視線を向けているのか?というのを、殆どセリフの無く、役者の演技と小道具の映し方だけで、端的にそして静かに語っている所がたまらなく好きでした。キアヌ・リーブスという役者の色とも、この序盤は凄くマッチしていた様に思えます。

 

今作、「チャプター2」でも序盤の語り口が凄く丁寧かつ弾けていて、メチャクチャ楽しかったです。ジョン・ウィックは復活した」「あいつを殺すとかマジで普通に考えて無理」「っていうかアイツ犬殺されただけで組織潰してっからね」「マジで...」「うん...」っていう【前作のおさらい】を前作のラスボスの弟と側近が話している所を見せながら、彼らが会話している下の階では、その件のジョン・ウィックがボコボコにされながらも圧倒的なパワーで手下たちをドンドン無力化していく、っていうのを同時進行で見せていきます。【セリフだけでの説明】や【前作のシーンをダイジェスト的に見せる】という方法ではなく、実際にパフォーマンスとして「前作の縮図」を10分程度にちゃんと纏めて見せるという制作陣の姿勢が、エンタメ映画を作る側として凄く真摯で、なんかこう「俺はお前らの味方だよ!応援するよ!」と声を出したくなる感じがありました。

 

で、そういうのを見せておいてちゃんと「でもこれからのジョンは今までとは全く違う人間になるんだよ」というセリフを言わせておいている所が、この「チャプター2」が前作の勧善懲悪な作品とは全く違う展開になる事をちゃんと臭わせておいたりしていたりして。多分監督もキアヌもみんなイイ奴なんだと思います。多分。サービス精神がすごくある。

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ジャンル映画としては一番上がる武器調達シーンや死に装束新調シーンを中盤に持ってきている当たり、作り手側の意図も勿論感じられるんですが、アンチカタルシス気味な映画だった気がします。復讐に次ぐ復讐で、一体自分は何がしたかったのか、何の為の殺人なのか、ジョン自身も分からなくなってきている…という所で、最終作である「3」へと繋がっていく、所謂ブリッジの側面が強い作品でもありました。

もう個人的な好みになってしまうのですが、前作が「イコライザー」や「ラン・オールナイト」に近いテイストだった所が、今作では「私的制裁という復讐の連鎖から抜け出せなくなりつつある悲しい男の話」というテイストがかなり強くなっていて、どちらかといえば、ケヴィン・ベーコン狼の死刑宣告的な方に傾いた様な印象でした。(あくまでメッセージ的な部分だけなんですけど)お気楽に楽しめるジャンル映画という所から、もう結構遠い所まで来ちゃったな…っていう感じです。

 

 アクションシーンで好きだったのは、「ラン・オールナイト」とまた似た様な設定の好敵手な殺し屋役のコモンとジョンが、人混みの中でサイレンサー付きの銃を周りの通行人に気付かれないように「ピュンピュン」って静かに撃ち合うシーンですね。もう完全に図書館で誰にも気付かれない様に机の下での手コキ手マンで感じあう2人みたいな、濡れ場シーンですよ。アレは。完全に。よりゴージャスな人工感溢れるアクションの連続は見ていて楽しかったです。クソ変ですけど。

 

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暗殺者協会からも脱退させられ、コンチネンタルの設定も捨てた所で、次回作は一体どういう所でジョン・ウィックシリーズらしさを出していくのかちょっと不安な所もあるんですが、やっぱり彼の死に際を見る責任が俺にはあるので、続編は必ず見ます。

 

他のキアヌ映画で感想を書いてるのがこの作品だけっていうのがスイマセンでしたという感じなんですけど、マジで最悪なので皆さん見てください

askicks1248.hatenablog.com

 

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