忍びの国

同じ日に「銀魂」を見たせいであんまり印象が強くないんですけど、こちらも興行収入的には大ヒットした作品です。

マジでこれはどうでもいいんですけど、原作の忍びの国の小説も俺買ったんですよ。で、買ったタイミングが「ワタシが選ぶこの本の心に残る一言」みたいな、芸能人様が直々にお選びになられた、この本のこのセリフが好き!みたいなのをその芸能人の似顔絵と一緒にくっ付けるっていう特集が帯にあって、忍びの国もそのキャンペーンの対象だったんですね。で、もうその時点で地獄始まってんですけど、俺買ったとき品川庄司の品川のクソすかした似顔絵が書いてあって、「本当の名前を教えて。」とか書いてあるんですよ。マジでこんなの煉獄でしょ。読んでないよ俺それから。輪廻転生できないでしょこんなの。本編では石原さとみがこのセリフ言うんですけど、もうそれが邪魔して、俺はもう真っ白な空間のことしか考えられませんでした。イヤ、いいんですけどね。

 

 

 

忍びの国

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解説
のぼうの城」「村上海賊の娘」の和田竜が、戦国時代に伊賀忍者織田信長軍との間に起こった天正伊賀の乱を題材にした同名小説を、「嵐」大野智主演、「予告犯」「殿、利息でござる!」の中村義洋監督のメガホンにより映画化。天下統一に向け、諸国を次々と攻め落としていた織田信長が攻め入ることができなかったただひとつの国、伊賀の国。人でなしの忍者衆が住む伊賀の国に暮らす忍者の無門は、伊賀一の凄腕を持つ忍者でありながら、怠け者の性分で、普段は女房のお国の尻に敷かれる毎日を送っていた。そんな中、ついに圧倒的な軍勢を率いた織田軍が伊賀に攻め込んできた。武力、兵力では太刀打ちできない無門率いる忍びの軍団は人知を超えた秘策で織田軍に抗戦する。主人公の無門役を時代劇映画初主演となる大野が演じ、妻のお国役の石原さとみのほか、伊勢谷友介鈴木亮平、知念侑李らが顔を揃える。ナレーションを山崎努が務める。

 

監督 中村義洋 「ゴールデン・スランバー」

原作・脚本 和田竜 「村上海賊の娘

企画 平野隆

出演 大野智 「映画 怪物くん」

   石原さとみ 「シン・ゴジラ」「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN

   鈴木亮平 「俺物語!!」「HK 変態仮面

 



60点

 

公開から2週間くらい経ったあたりで見に行ったんですけど、久しぶりにお客さん俺1人でした。2人、3人だけっていうのは結構あるんですけど、1人はあまり無いんで隣の席に膝乗っけたり靴脱いだりして凄く快適でした。映画館側の人間からしてみれば多分人件費や電気代とかでもうこの時点で赤字なんでしょうけど、俺は映画館側の人間ではないので上映中に爪とかどんどん食う。

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最低限という感じ

 

中村義洋監督の作品って、多分「鴨とアヒルのコインロッカー」と「ゴールデンスランバー」くらいしか見てないんですよね。2本とも伊坂幸太郎の小説原作の実写化で、監督の作家性云々よりかは伊坂幸太郎作品のアクの強さばっかりが目立った感じで、当時はよく分からなかったんですよね。2本とも悪い映画ではなかったんですけど、っていうか学生時代に見たような記憶があるんで殆ど覚えてないっていうアレなんですけど。

 

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皆さん知らないかもしれないんですけど、瑛太って役者なんですよ。

 

で、今作も小説原作という事なんですが、「自分が属するコミュニティの異常性に主人公も我々観客も段々と気づいていき、映画序盤で提示された善と悪の境界線があやふやになっていく」っていう下りは、俺が見た2本とも共通するラインだなと思ったりしました。特に今作は「人間性を得る」っていう過程で、主人公の成長を物語の推進力としてる所もあるので、真っ当なエンタメとして見やすい作りになっていたと思います。「どこかで見た事のある話」だからこそ、安心して色んな人が見れるっていうのは、2時間のエンタメを作る上では凄く真摯な姿勢だと思うし、その上でこの映画にしかないフレッシュな要素があればもうそれだけで俺は5億点出るんですけど。俺マジでやりますからね。予告編の下に太文字で「5核点!!!!!」ってやりますよ、いつか。マジで。

 

で、この作品のフレッシュさはどこかにあるかっていうと、この作品内では「川」と呼ばれた一騎打ちシーンですね。この映画の演劇っぽい所というか、ちょっとファンタジー入りつつの活劇作品っていう独自性を、結構な割合で担ってるのがこのシーンなんですけど、この「川」の殺し合いの中に見えるある種の見世物感が、命を遊び道具の一つくらいにしか思ってない伊賀の人間の底の見えなさを体現していて、とても見応えがありました。作り手側もそれがよく分かっていて、ここを物語の始まりとピークに持ってきてるのがアーエンタメって感じでしたよ。

 

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あと、でんでんがでんでんしてました

 

ただ、この映画の主人公って基本的にはクズな訳ですよ。生きる目的、戦う目的が「金の為」か「女がやれっていうから」しか無いっていう、どうも感情移入しにくい主人公で、例えば中盤当たりで彼なりの正義で行動してくれると、見てる俺も乗れるんですが、この主人公が人間性を手に入れるのって本当に終盤の終盤の端っこなんですよね。「石原さとみが伊賀守れって言ったから」をトリガーとして最後の決戦に臨む主人公も、それはそれで面白いのかもしれないんですけど、彼がこれまでの価値観を捨て成長したという展開が、かなり性急に感じました。1時間半かけてクズっていう描写を積み重ねてるから。

というかそもそも、主人公が見限ることになる伊賀も、彼らは彼らなりにそのコミュニティを維持する為に必要な事であったわけで、そこまで「今作品の諸悪の根源」みたいな描き方をされても、個人的にはそんなに乗れなかったんですよね。多くの人間を食わせていく為に少しの犠牲なら喜んで払うっていう姿勢がそこまで悪い事なのか、どうも疑問というか、変なノイズになってしまって。なのでクライマックスも、なんか中途半端な所で終わった気がどうしてもしてしまって、人物描写という点ではちょっとカタルシスに欠けた構成だった気がします。ある近しい人間を亡くして錯乱した主人公が、伊賀の人間を皆殺しにして超絶なバッドエンド…っていうんだったら俺もうこの映画メチャメチャ好きになってたと思うんですけど、なんか黒幕の足首だけチョイって突いて「イタイイタイ!!」って痛がってる合間にエンドロールが流れてきたみたいな、そんな感じでした。

 

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ハハ

 

でも俺がそんなサイコパスエンドを期待しちゃったのって、やっぱり大野智がこの役に凄くハマってたからだと思うんですよね。

大野智基本自我があんまりない感じというか、目が虚ろな感じというか、なのに身体はメチャメチャ動けてこの国のトップアイドルグループの一員な訳じゃないですか。そんな彼がちょっとした間違いで人間的な感情を取り戻した時には、そりゃジェノサイドでしょ。人がゴミのように死んでいくでしょ。まあでも、もう1個何か爆発的な「何コレ...」みたいな大野智サイコパスシーンがあれば、もっと面白くなってたような気はします。あと久々に石原さとみの唇が堪能できる映画でもあるので、「あー最近サイコパスなアイドルとデカい唇見てねえな」っていう時があればこんなにいい映画はないです。60点なんですけど。

 

 原作。帯が怖くて読めてません。

忍びの国 (新潮文庫)

忍びの国 (新潮文庫)

 

 

 忍者モノで何か見たヤツあったかなと振り替えてみたらコレでした。

 

 週末に職場で抽選会です。悪い予感しかない。

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