オデッセイ

恥も外聞も無く2月3月に見た新作映画の感想です。

オタクなので映画に点数を付け出しました。

 

オデッセイ

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あらすじ

火星にひとり取り残された宇宙飛行士のサバイバルを緻密な科学描写とともに描いた、アンディ・ウィアーのベストセラー小説「火星の人」を映画化。極限状態の中でも人間性を失わず、地球帰還への希望をもって生き続ける主人公マーク・ワトニーをマット・デイモンが演じ、「エイリアン」「ブレードランナー」などSF映画の傑作を残してきた巨匠リドリー・スコットがメガホンをとった。火星での有人探査の最中、嵐に巻き込まれてしまったワトニー。仲間たちは緊急事態を脱するため、死亡したと推測されるワトニーを置いて探査船を発進させ、火星を去ってしまう。しかし、奇跡的に死を免れていたワトニーは、酸素は少なく、水も通信手段もなく、食料は31日分という絶望的環境で、4年後に次の探査船が火星にやってくるまで生き延びようと、あらゆる手段を尽くしていく。

eiga.com

 

 ★★★★★

 

傑作でした。(★は5つ満点です)

 

まず誰もが予告編とかを見て思う「またマット・デイモン取り残され!?」っていうのはありますよね。インターステラーのマン博士、マジで最悪で最高だったんで(自分こそが善で皆を救う唯一の行動がコレなんだだと信じて信じて信じて信じて最後爆死する感じ)あの印象が強い内に、また似た様な役をやるのが少し意外でした。

 

 

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画像はとにかく劇中に爆破シーンを増やしてくれる方のマット・デイモンです。

 


なんていうか、マット・デイモンって「ちょうどいい」ですよね。そんなにハンサムって訳でも無いし、金の匂いがあんまりしないっていうか。事務所でマネージャーとスケジュールの確認しながら、そのマネージャーの高校からの恋人で女優志望で夢を叶える為に彼氏と一緒にハリウッドに来た女を、彼氏がスケジュールを読み上げる真っ只中で机の下で隠れて咥えさせてニヤニヤしてるみたいな、そういう事絶対しなさそうっていうか。梅沢富美男とかならやってそうですけどね。知らないけど。


どんな困難な状況でも希望を信じながら何とか生きていく、っていうテーマ自体は「ショーシャンクの空に」的で、どんな作品になるか想像しやすい所があるんですけど、そこに加えて「地球からの目線」「取り残してしまった乗組員たちの目線」っていう、火星で生きる主人公とその他いくつかの視点を経ながら、この映画は語られます。その視点の多さっていうのが、この作品のレベルを1段も2段も上げてると思いますね。
「視点が多い」っていうのは、そこには当然語られるべき人間がいて、語られるべき物語がある訳じゃないですか。で、そこで語られるのは、物資を届ける為のロケットを「残業して作る」とか「与えられた仕事をそれぞれが最大限の努力でやり切る」とかっていう、物凄く俺たちの生活圏に限りなく近い事なんですよね。

 

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視点の多さがオデッセイを最高の人間賛歌ムービーにしちゃってるんだよな…。(僕は無職なんですけど)

 


『火星』っていう、未知の世界での主人公の生きる為の工夫とアイデアと同列に、遠く離れた地球での名もなき作業員たちの『一人一人の努力』が語られている所に、この映画の醍醐味があると思うんですよ。そこが「インターステラー」や「コンタクト」みたいな、超自然的な力や神の意思めいた物に導かれていく、っていう作品と全く異なる点ですね。「努力の積み重ね」っていう行為は火星にも手が届くほど途轍もないパワーを持ってんじゃボケ殺すぞ、人間一人ひとりがやるべき事をやる、それってもう神の力とか運命とかそんなの軽く超えてんだよボケやっぱりお前だけは殺す、みたいな感じで。

 

あと、エピローグが最高なんですよ、オデッセイ。テーマ曲『I Will Survive』に乗せて登場人物たちの少しその後を見せていくんですけど、どこまで行っても人間に出来る事なんて所詮知れてるけれども、そういう普遍的な『人間の営み』それ自体が俺たち人間が持ってる力だろ!殺すぞ!みたいな。そして彼ら彼女らの意思は、脈々と次の世代に受け継がれていく…っていう映画の締め方も良かったですね。

 僕はおじいさん映画監督が撮る映画の「受け継がれてく意思」みたいな締め方って好きなんですよ。「グラン・トリノの締め方もメチャクチャ好きで。「グラン・トリノのエンディングはイーストウッド自身が歌ってましたけどね。

 

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最高なんだよな…。


個人的にはSF映画っていう括りでいいのかちょっと分かんないんですよね。なんでしょうね、「お仕事ムービー」ですかね。僕は仕事を語った映画だと「マイレージ・マイライフ」とか普通に好きですけどね。途端に安っぽい感じになりましたけど。あと、DASH村要素ってありましたかね?確かに火星で自給自足の面白さはありましたけど、テーマをそこに感じなかったんですが、どうなんでしょうか。

 


映画「オデッセイ」予告Z

 

 オデッセイの方が断然好きなんですけど、こっちも良かったです。

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