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最早花見は「行事」では無かった

私の地元では、ようやく花見の季節になってきた。


私が通っていた高校は、所謂「桜の名所」と地元では有名な公園のすぐ側にあった。
高校生だった当時は、担任の教師も面倒だったのか、ホームルームの時間を1時間潰して『自由行動』と題した花見散策が許されていたから、本当に毎日の様に花見に行っていた。今思うと、相当適当だ。外出許可とかどうなっていたんだろう。よく知らないけど。


(件の面倒くさがりな担任は武原先生という人だったんだけれど、あまりにクラスのDQNたちが3年間に渡ってあらゆる時間で騒ぎまくって授業にならず、結果校内での武原先生への風当たりが非常に悪くなっての『武原先生3年間で頭髪真っ白、それを指摘したクラスのオドオドオタクにチョーク粉砕マジギレ事件』の話についてはまた今度)


ただ、「毎日花見」といっても、お金の無い高校生では、出来る事に勿論限界がある。
私は帰宅部だったが、アルバイトも特にやっていなかったから、主な収入源は母からの月5000円のお小遣いだけだったし、周りの友達も似たり寄ったりだ。
800円の牛串を屠る酔っ払いサラリーマンや、自分の背丈の3分の2程ある1000円の巨大な袋詰めキャラクター入り綿あめを掲げる男児を尻目に、我々はただただ歩く事しか出来なかった。


ましてや女っ気も無いモテない童貞グループに所属していれば、花見のテンションに当てられた男女グループにはお馴染みの、

「みんなでキャッキャとパンパン射的」「チョコバナナクレープを分け合いっこして甘々パクパク」
なんて、我々では考えただけで喉の奥から只々酸っぱい物が湧き上がってくるだけだったから(コレは青春の味などではなく、胃酸が口から出ようとしてる事による酸っぱさだ)高校生の私にとっては、最早花見は「行事」では無かった。


アレは「移動」だ。
楽しそうなグループを出来るだけ避け、義務の様に白い顔で公園内を時間が来るまで、日が暮れるまで練り歩く。そういう鍛錬としての「移動」だ。
おかげで随分下半身が引き締まった気もする。身体が疲れてると自慰も捗ったし。


ただ、下半身をムキムキにしながらも、ベンチに座って終業まで時間を潰したりしなかったのには、理由がある。
それは「屋台メシ」の存在があったからだ。


屋台が沢山並ぶ規模の大きいお祭りなんかに出向いた事のある人なら分かると思うが、一口に「お好み焼きの屋台」「焼きそばの屋台」といっても、それがメジャーな食べ物であればある程、同じ屋台メシを扱う店が多くなり、出店された屋台内での競争率は高くなる。


そして同じ屋台メシを取り扱う店が多くなれば、差別化を図りたいという考えからか「店ごとの特徴」みたいなのが顕著に出てくる。
そういう「店比べ」を一つ一つの屋台を見て回り、吟味に吟味を重ねて屋台メシを購入するのが、当時は堪らなく好きだった。
その『店ごとの特徴』というのは、単純に「うまい」「まずい」「高い」「安い」に始まり、それはもう多岐に渡る。


例えば、
「生地がパサパサ」
「ソース『は』うまい」
「コレはあまり火が通っていないのか、店主の腕がいいのかは分からないがグチャグチャしてて美味い」
などの『味』に関する物もあれば、

「裏のドブ川と化したお堀で店主が容器を洗ってるのを見た」
「さっき買った焼きそば屋の店主が別の店で焼きそばを買って美味そうに食っている」
「普通サイズ500円よりミニサイズ250円を2つ買った方が明らかにボリューム的に多い」
「『ジャンケンに勝ったらもう1枚』と看板には書いてあるけど、店番の中国人はジャンケンを知らない事を強調する」
「屋台のオヤジがオムそばをパックに装う時に、必ず胸元から龍の刺青がチラっと見える」
「メチャメチャ美味いけど食べた直後に隣のベンチで酔っ払いがゲロを吐いたから減点2」
などなどなどなど、最後のヤツなんかはもう言い掛かりに近いが、お祭りのテンションの中でしか見られない『人』に着目できた日もあった。


「屋台で食うからああいうのは美味いんだよ!」とはあまり思わない私だけれど、毎日通ってるとそういうドッキリ屋台との会合が必ず1日1回はあった。
かなりおかしな一期一会だけど、それがあるからやっぱり屋台メシは好きだ。


(前に1回「みんなで所持金500円だけ持って屋台から一番美味いメシ持ってきたヤツが優勝な!制限時間は30分!」っていう遊びをやってる時に、ふと「屋台で買うよりもこの後にモスバーガーで買って食べた方が得」に気付いてしまった自分がショックで、1歩も動けなくなってしまった事もあったけど、屋台メシは好きだ。)


で、昨日。久しぶりに友達と花見に出かけてきた。
シートを敷いてお弁当を持って…なんて事はせず、屋台を回って飯を食って帰っただけだったけど、今年は「屋台でジェラードアイスを売るトルコ人が、お客さんで来た女の子に全然商品を渡そうとせずに『タベル?タベル?ザンネ~ン』と2分くらい虐めていた」を見れた。良かった。
あと、一昨日は会社の同僚と来たと言っていた友達が「あそこで男女で騒いでる大学生っぽいグループがいる辺りは、昨日顔色を紫にしたサラリーマン3人が皆でオシッコをしてた一帯のはず」とか思い出してて、ニヤニヤしたりしていた。よかった。
…書いてて思ったけど、コレは花見の正しい楽しみ方なのか?多分違う。


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