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緊張と慎重の狭間に

僕は緊張しいだ。何か些細な事でも、どんなにちょっとしたお披露目の場でもすぐ緊張する。幸い赤面症という訳でも無いし汗っかきでもないから、そこは不幸中の幸いと言った所ではあるが、足も簡単に震えるし声も簡単にひっくり返ってしまう。多分僕がAKB48に入っていて(ここでのAKBとは勿論、A『足が』K『カクカク』B『ブルブル』1秒に48回、を指す)カメラの前でさあ演説となった際には、緊張による足の震えで「あれ?アイツバイブ入れてんじゃね?」と疑われること間違いなしだ。用はあれがギャグに見えないほど僕もおかしなくらい緊張しいだっていうこと。アレ全然笑えなかった。


実際の所、僕が緊張するのはまあ僕がそれを我慢すればいいだけの話なのだが、それよりもっと嫌なのは「あ、こいつ緊張してんな」と人に思われること。これにより「あ、こいつ緊張してんな」→「ヤバイこんな事で緊張してるって思われてる。ヤバイ足震えてきた」→「うわあこいつ足震えてるよ...」→「ヤバイ足が震えたことで『うわあこいつ足が震えてるよ』と思われてる何とか震えは収めなきゃ収めなきゃ(より震える足)→「うわあさっきよりもっと震えてるよこいつ」→「ヤバイさっきより足がもっと震えていることで『うわあさっきよりももっと(以下略......とどう考えても僕の考えすぎ、自意識過剰な分も多いにあるのだが、そんな「震え脳内無限ループ」が緊張することで簡単に構築されてしまうのだ。また、それを誰かからフォローされるのも嫌いだ。授業参観なんかで親が見る前で指され、「リョウちゃん(僕の本名)リラックスね!」とか満面の笑みで言われた日には、その日の夕飯は「布団の中で狸寝入り」というストライキも辞さなかった。


一番「どうしよう」とあたふたしたのが大学時代の映画館でのアルバイト。結局ここには長いこと勤務していたのだが、夏休み、しかも大作の公開初日という「これウチの小学校全校生徒より多い」くらいの数のお客さんの前で3Dメガネの説明と誘導、という泡吹くくらいの大舞台があった。「壇上で心臓発作とかになったらこの場合労災は降りるのだろうか」と心配したものだったが、意外にもそこはもう気持ちが一周してしまったのかそんなに緊張せずに終えることができてしまった。この時は本人でさえビックリしたものだったが、今考えると恐らく、人が余りにも多いと「人の様な集合体の何か」にしかそれが見えなかったのではないかと思う。そう思えてしまうほどテンパってたとも言えなくもないけど。


ただ、その「気持ちが一周する」というテンションにまで持っていくには「映画館」「3Dメガネ」「泣き叫ぶ子供たち」「大人たちの罵声」「安い時給」「年下の上司」「説明中なのに空調が暑いと文句を言うデブ」「『ほら、あのおじさんの説明聞きましょうねー』と僕を指差し子供をあやす主婦」などの要素が必要、とかなりハードルが高い訳で、そう考えると緊張してるのがデフォルト、と考えた方がいい様な気がしないでもないが。まあそんな感じ。