タイトルを付けるのも勿体ない程の雑記

明日昼からの出勤で10時には起きるんですよ…。

最近FIFA17を本当にやり過ぎてしまって、ドイツ2部のブランシュヴァイクをCL優勝させて、次の年にバレンシアに移籍して、すぐ飽きてマンチェスターシティでCL逃してっていうのをやってたらもう映画も見れてないし本も読めてないしでとんでもない事になってたんで、ウィッチャー3とかと一緒に全部ゲーム売ったら、もうやる事が何もなくなってしまって。FGOをダウンロードするのを唇噛みしめてギリギリ我慢してる様な感じです。なので年間150本鑑賞に向けてまた滅茶苦茶ペース上げないと死にます。俺もお前も。

メンズデーだったので映画館で「忍びの国」と「銀魂」をはしごで鑑賞。感想は後々に書くとして銀魂で後ろのおじさんが「フーッ!!フーッ!!」と笑いたいのを必死で我慢してる鼻息を2.1chで聴きながらだったので、臨場感ある鑑賞体験でした。「忍びの国」はお客さんは俺1人だけ。木曜には「パワーレンジャー」の字幕版も見たんですけど、ここでもお客さんは俺入れて3人。

ハクソーリッジも公開週のメンズデーで見て俺1人だったので、本当にここの映画館はヤバイのではないかと心配になってくる。まあ俺を正社員面接で不採用にした会社なんで別にアレなんですけど、地元唯一のシネコンが無くなるとそれこそ山を越えて長野まで車1時間かけて行かないといけなくなるので、社員のボーナスがどんぐり8個になる程度にギリで存続してほしい。 

 

 

パッセンジャー

個人的にはクリス・プラットは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のスター・ロードとしかもう見られないんですけど。好き過ぎて。この映画見た時も「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」の予告編が見られてアーって感じで。もう今思い返してみるとそこが一番テンション上がった所だった気がしてます。

映画のルック的にはSFはSFでも、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」とは対照的なハードでシリアスな雰囲気がかなり漂ってくる感じなんですが、さて本編はどんな感じなのか…という。

この作品、かなり重大なネタバレ要素を広告でも予告編でも徹底して隠している作品でもあります。で、そのネタバレ要素をひた隠しにしながら感想を書く自信も力も俺には無いっていう。そんな感じで良くも悪くもこの映画、マジでまっさらな状態で見た方が絶対良い映画だと思うんで。100の内75くらい物語の内容書いちゃう感想って感じでも全然見るよOK!っていう「お前それ絶対見に行かないヤツでしょ」って人だけ読み進めて貰えればって感じです。

 

 

パッセンジャー

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解説
ハンガー・ゲーム」「世界にひとつのプレイブック」のジェニファー・ローレンスと「ジュラシック・ワールド」のクリス・プラットが主演を務め、宇宙船内で極限状態に置かれた男女の愛と運命を描いたSF大作。20XX年、乗客5000人を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が、新たなる居住地を目指して地球を旅立ち、目的地の惑星に到着するまでの120年の間、乗客たちは冬眠装置で眠り続けていた。しかし、エンジニアのジムと作家のオーロラだけが予定よりも90年近く早く目覚めてしまう。絶望的で孤独な状況下で生き残る方法を模索するうちに、2人は惹かれ合っていくのだが……。「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」のモルテン・ティルドゥム監督がメガホンをとり、「プロメテウス」のジョン・スパイツが脚本を手がけた。

 

監督 モルティン・ティルドム 「イミテーション・ゲーム

脚本 ジョン・スペイツ 「プロメテウス」「ドクター・ストレンジ

美術 ガイ・ヘンドリックス・ディアス 「インセプション」「スティーブ・ジョブズ

出演 ジェニファー・ローレンス 「ハンガーゲーム」「ジョイ」 「ウィンターズ・ボーン

   クリス・プラット 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「ジュラシック・ワールド

   マイケル・シーン 「フロスト✖ニクソン

 


映画 『パッセンジャー』 予告

 

40点

 

予告編での何となくのイメージだと、「宇宙船のAIか何かの陰謀で目覚めさせられた男女2人が紆余曲折あって真相に気付き、AI側の思惑を乗り越え自己犠牲的な力を示し、最後に人類は解放される」みたいな感じなのかなと思ってたんですよね。個人的には「インターステラー」よりも「オデッセイ」、「コンタクト」よりも「アンドロメダ…」とかの方が好きだったりするんで、そのイメージであればもう俺の大好物なんですよ。飽くまでも「広大な宇宙の中では塵みたいな存在ながらも、それでも人間にしかない力を示し、そして勝利する」っていう着地のSFが俺は好きで。そこに神的な要素とか、人間より1段階上の存在に導かれて…みたいな方に行くとウス…って感じになっちゃうんですよね。もろに「コンタクト」なんですけど。全然好きな映画ではあるんですが。

で、今作なんですけど、ちょっと思ってたよりイメージと違って。あくまで人間の内面的な「罪と罰」とか「贖罪とは…」みたいな方を重めに語っていこうとする感じなんですね。こういう話をSF的なガジェットを使ってやろうとするのは結構新鮮で、序盤は「おっ、思ってたのと違うけど良さそうだぞ」ってかなり期待できたんですよね。

 

「パッセンジャー 映画」の画像検索結果

 

ただ、正直言って、このテーマを充分に突き詰めていく内容だったかと聞かれれば、全くそんな事はない映画でした。作中で何が起きるかといえば、「重すぎるテーマの解決方法を見いだせないまま、作り手側がその点については最終的に放棄する」っていう、かなり酷い物で。あらゆる描写が薄っぺらいまま進むので、まあ苦痛な116分でした。

それに加え、酷かったのが作り手側が一体誰の目線で物語を語ろうとしているのかが見えてこない所で。例えばクリス・プラットが艦内を走るジェニファー・ローレンスに艦内放送を使って説得を試みるシーンがあるんです。クリス・プラットが喋るシーンでは優し気なアコギを使った音楽を使用してる一方で、その説得にうるさいうるさいうるさーーーーーい!!!ってキレたローレンスが喋るシーンでは、ちょっと緊迫した様な音楽を使ってるんですけど、この間ってもう殆どシームレスなんですよ。「今画面内に大写しになってる人間の心情を音楽にしました」ってだけで、この映画はテーマ的には一体どこに主眼を置いているのが全然定まっていないっていう事だし、もしそれが出来ないのであれば、ここは全然無音でもいい訳じゃないですか。なんか、見やすさを配慮してるようで逆に見にくくしてる様な、そんな印象を受けました。

 

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では物語の推進力をどこに置いているのかっていうと、この映画ではクリス・プラットジェニファー・ローレンスのいちゃ付きとちょっと重めな痴話喧嘩」っていう所しかないんですよね。さっさと次の展開行ってくれよ!って、見てる方はとっくの昔に飽き飽きしてるんですけど、スクリーンの中では2人でダンスバトルやってるんだけど…長いし…っていう感じで。なんかこう、大人な映画を期待して見に行った方が間違いで、どちらかと言えばティーン向けな映画だった気がしますね。意外に早めに和解するしね。

中盤でかなり唐突に3人目の生存者っていうか、目が覚めちゃった人間としてローレンス・フィッシュバーンでお馴染みモーフィアスが登場するんですけど、主人公ら2人を導いていくキャラクターなのかな…と思いきやただただ彼らにアイテムを渡してすぐ退場するっていう、とことん愛を向けられないキャラクターで、ちょっとここもガッカリでしたね…。「ここは私に任せて先に行け!」的な感じでもなく、ただただお腹痛いっすわ…つって段々と元気がなくなってくだけなんですよ…モーフィアス…。

 

「ローレンス・フィッシュバーン」の画像検索結果

なんか最近見る映画見る映画どっちかが出演してる気がします。

 

まあでも、見る所が全くない映画という訳ではなくて。登場人物は本当に少数精鋭っていう言葉がぴったり合うほどいい役者だけで。特にジェニファー・ローレンスがメチャメチャ良かったですね。さすがにオスカー貰ってるだけあって、この映画の品格に見合わない程の熱演ぶりでした。

物語そのものに目を向けてみても、途中で船内の重力が失われるというシーンの中で、プールでジェニファー・ローレンスが泳いでいた所に水が室内いっぱいに浮き上がってしまって危うく溺死しかけるっていう一連のアクションシーンは結構フレッシュで良かったです。

正直そこくらいなんですけどね、この映画で俺の好きな所って。罪と罰」的な所を真摯に攻めた作品であったとしても、結局はこの映画の主役はクリス・プラットっていうガタイの良い超イケメンな訳じゃないですか?そこでまずこの艦内で起こったことに関して許す許さないって話をされても「イヤでも君らは知らないかもしれないけど俺はクリス・プラットではないしな…」っていうのはノイズになる訳で。だって俺はクリス・プラットではないから。

あとは何ですかね。もう細かいんですけど、なんなら「お前マジでチャンスあったら殺すからな…!!」みたいになってるんですジェニファー・ローレンス。で、朝になって、クリス・プラットがキレてる女を食堂で見かけるんですけど、ローレンスのテーブルにはマフィンとか、カフェラテとか結構しっかりしたメニュー乗ってるんですよね。イヤお前朝から全然食う感じなんだね!みたいなのとかはありましたね。で、クリス・プラットが声かけると黙ってローレンス朝飯ガッシャー!!!!ってぶちまけたりなんかしてね。お前確実にそれやりたくて声かけられるの待ってたろ!的な。そんな感じですね。

 

 

 複数形になるとアン・ハサウェイになります。

 

 イヤでも無重力シーンは迫力ありましたよ。マジで。

 

 

 

叱咤激励という名の自己主張の正当性を誇示するのを今すぐ辞めろ。

他人への悪口というのはどうやら2種類あるようで、例えば「お前のためを思っていってるんだぞ!」とわざわざ言い訳を挟み込む事で自身の正当性を主張してくる『叱咤激励』という物と、もう一つは単純に他者をどうにしかして傷付けたいだけの『馬鹿にした文言の羅列』が挙げられると思うが、そもそも悪口というのが自身と他者とが同時に存在しないと実現できない意思の伝達手段だと仮定するのなら、その2種類というのは結局は受け取り側の匙加減次第とも考えられる訳であって、どれだけ「お前を殴る俺の手も痛いんだぞ!」と叫ばれても、「自分が悪いとは考えないの?」「一回教えた事がなんでできないの?」と35歳ベテランアルバイト天然パーマシフトリーダーに嫌味ったらしく顔を近づけられても、「1年半前から尾行されています!」と胸の前で両手をクロスさせながらYouTubeに迫真の演技動画を投稿されても、「俺が不快になってんだからお前が悪いんじゃボケ」と、受け取り側が自身の正当性を主張するのは全く間違っていない。悪口が受け取り側に評価基準を委ねられている限り、私の「お前が死ね」を、一体誰に歪める権利があるというのか。


出来れば生涯に渡って「怒られる」という行為はされずに荼毘に付したい。「生涯激怒不受大声不聞静音室内寝毎日九時間五千兆円口座振込」の戒名を貰いたい。全人類がそう思いながら日々を何とかやり過ごしているはずなのに、この世には一定数の「怒りたがり」がいるから迷惑だ。
大人になれば怒ってくれる人も貴重になってくるなどという意見は聞きたくない。私が選んだ判断が正しく、私が話す言葉が的を得ていて、私が右ウィンカーを出して右折するのなら全ての車は急停止しなければならない。
ずっと前に遊んだゲームで、「俺は悪くねえ!」と言って街を一つ消滅させた主人公がいたが、あれは正しい。私はゲームの主人公ではないので件の登場人物は死して当然だと思うが、私には関係のない事だ。ただ、「俺は悪くねえ!」という精神だけは見習わなくてはならない。俺は悪くない。


何故人は「怒る」という事で自身の正当性を誇示しようとするのか?先日の時給780円労働では、年下のアルバイトがスタッフ間での連絡帳に要点をまとめられていない長文を書き連ねた時は「何故お前が見て推敲してやらないのだ」と何故か私だけが怒られる。ストレスなのか胃腸の調子が悪いと実家に帰ってから胃薬を飲んでいれば、母には「なんで腹が痛いのか原因も考えた事もないんだろ!!」と家の薬を飲む権利を取り上げられる。全人類がサンドバックとして誰かしらの正当性という名の拳をレバーに叩き込まれている毎日がここにある。
もう散々私たちはもうずっと、各々が各々に怒りを向けてきているはずだ。何故あそこで勇気を出さなかった?何故あそこで諦めた?何故俺は俺なのだ?毎日のように自身で自身のケツに蹴りを入れてきた毎日を過ごしてきたはずなのに、それに加えて「お前が悪の根源」とよく知りもしない人間の主張を「ハイそうでございます」と靴を舐め回すような真似をしなければならないのか。


誰もが想像力を持つ必要がある。何故彼はその選択肢を選んだのか?間違ってはいたが、何か理由があったのではないか?ご飯を食べていないのではないか?最近野菜を食べていないのではないか?同じコミュニティ、しかも業務における作業の中であれば、上下関係は「指示」という形を取ってより明確になる。事情を勝手に察してあげるというのも、必要な伝達手段の一つなのではないだろうか。
私も明日からまた労働が始まるが、それはそれとして、業務中のミスには厳しくいくつもりだ。それはそれ、これはこれである。何せ「私が全部正しい」のだから、私を怒らせたあちらサイドが全部悪い。俺は悪くない。慮る?知らねえバカ、俺の靴でも舐めてろ。

SING シング

CGアニメってちょっと昔の作品見ると、結構違和感ありますよね。なんかジャギジャギしてるっていうか。それだけ今のCG技術がとんでもないスピードで発展していってるっていう事だと思うんですけど、いざ映画館で作品を見てみると、じゃあ「アナと雪の女王」と「ズートピア」では劇的な変化に気付けたのかって聞かれると、そういう風には感じられる訳ではなくて。何故かアハ体験みたいな事にはなってます。「超 痴女メイド!2」の動画初めて見た時は「スゴッ!」って声は出ましたけど。

 

 

という事で(という事で?)今回は、良作を連発してきたアニメスタジオの最新作です。

 

 

SING シング

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解説
ミニオンズ」「ペット」などのヒット作を手がけるイルミネーション・スタジオによる長編アニメーション。マシュー・マコノヒーリース・ウィザースプーンセス・マクファーレンスカーレット・ヨハンソンジョン・C・ライリータロン・エガートン、トリー・ケリーら豪華キャストが声優として出演し、レディー・ガガビートルズフランク・シナトラなど誰もが知る新旧ヒット曲を劇中で披露する。人間世界とよく似た、動物だけが暮らす世界。コアラのバスターが劇場支配人を務める劇場は、かつての栄光は過去のものとなり、取り壊し寸前の状況にあった。バスターは劇場の再起を賭け、世界最高の歌のオーディションの開催を企画する。極度のアガリ症のゾウ、ギャングの世界から足を洗い歌手を夢見るゴリラ、我が道を貫くパンクロックなハリネズミなどなど、個性的なメンバーが人生を変えるチャンスをつかむため、5つの候補枠をめぐってオーディションに参加する。監督は「銀河ヒッチハイク・ガイド」のガース・ジェニングス。

スタッフ

監督ガース・ジェニングス

製作クリス・メレダンドリ ジャネット・ヒーリー

脚本ガース・ジェニングス (映画.comより)

 


映画『SING/シング』 吹替版特別予告編

 

75点

 

新作のレンタルDVDをPS4に突っ込む度に黄色い物体の茶番を見せられるでお馴染み(アレあってもいいけど、せめて定期的にアニメーションを新作に変えてくとかしてほしくないですか)の「ミニオンズ」や「ペット」を手掛けた、イルミネーション・スタジオによる長編アニメーションの最新作です。

 

ある一点に向かってテンションがドンドン高まっていってクライマックスで爆発する音楽モノ、劇場モノって聞くと、もうそれだけで一定の面白さは保証されてる様な気さえするんですよね。「今宵、フィッツジェラルド劇場で」っていうメリル・ストリープがヤバイ映画があって、コレも歌モノ劇場モノって感じなんですけど、歌と劇場要素が魅力的過ぎて、ドラマ部分が「なんかあんまり関係ない人が可哀そうな死に方をしてた気がする…」くらいにしか印象にないっていう作品もあるくらいなんで。

 

 

要はこの2つの要素って老若男女問わず結構好き、っていうのはあると思うんです。勿論、例にもれず、この『SING』も歌と劇場が肝の作品です。

地元で吹き替えの上映しかやってなかった事もあって、字幕は見る事が出来なかったんですが、正直、作品自体が持つ魅力も去ることながら、吹き替え用のセリフ、演技共にメチャクチャ完成度が高くて驚きました。声優畑ではない役者や芸能人を主要キャストに起用してるアニメ作品で、声の演技で感動したのってちょっと今まで記憶に無かったんですけど、ヤバイですね。トレンディエンジェルの斎藤さんの演技で泣きそうになるなんて見る前は想像もしてなかったんです。マジで。山寺宏一坂本真綾はもう勿論って感じなんですけど、引っ込み思案だけど歌がメチャクチャ上手い象の女の子の役、声聞いた時は「なんか10代くらいの声した女の子だな…」と思ったらMISIAだったっていうのもありましたね…。

 

 

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群像劇っぽく見せていく作品なんですけど、この登場人物それぞれにスポットを当てたドラマも作りが丁寧で、かなり胸を打たれてしまいました。

実際、劇中のオーディションに合格して主要メンバーになっていく5人(もしくは5匹)の作中における悩みって、結構似通ってる所があったと思うんですよ。要は「他者からの解放」であったり「自身の願望や夢が、日々に忙殺される事でいつの間にか消えてしまうのではないかっていう恐ろしさ」だったりする訳じゃないですか。基本的には。

ハリネズミが針飛ばしながら「あぶなーい!」なんてやってる映画ですけど、コレって結構普遍的なテーマだと思うんですよ。毎日の出来事に疲れ、日々に埋もれていって「自分が本当にやりたかったこと」から少しずつ遠のいてしまっている気がする、もしかしたら、いつの日か本当にそれを忘れてしまう日が来るかもしれない…そんな予感だけはする…って、結構皆が共感できる事だったりする訳じゃないですか?

 

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この映画の優れている点は、語られるテーマは普遍的でも、登場人物それぞれは「自分だけのドラマ」を生きてるっていう風にしっかり演出している所にあると思うんです。それぞれに用意されたドラマを、場所を変え、視点を変え、語り口を変え、移動手段を変えっていう風に見せ方をドンドン変えていくんです。

群像劇として、実は似通っているはずの各キャラクターが抱える問題を、各キャラクターでしか成しえない方法でしっかりと解決させていくし(ちょっと強引なやり方もありましたけど)それがあるからこそ「皆それぞれに何かを克服しようと努力してるし、そして最後に、本当にその夢の入り口に過ぎないかもしれないけど、それを叶えてみせる」っていうのに凄く説得力があったと思うんですよね。そしてそれがしっかりしているからこそ、最後の展開に向かって、否が応でも盛り上がっていくし…。

 

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ただ、合わない人にはとことん合わないだろうなっていう要素もある作品で。まずもう開始5分で主人公のコアラがマジのクズだっていうのが分かるっていうのがあるんですよね。スタッフに給料も払わずに、自分は結構な人込みの中を自転車で「しっつれー!」なんて言いながら上機嫌で逃げていったり。この映画を結構面白く見れた俺でも、未だに「イヤでもお前あそこちゃんと謝れや!」ってなってる部分は多々あります。

「いやー感動した…やっぱり歌っていうのはいいね…象の女の子に『SING...』って語りかける所とかね…あと豚のお母さんの『イヤそっちの道で食っていった方がやりようあるんじゃないの!?』ってなる所とかね…笑える所いっぱいあったね感動もしたね…………………………イヤでもやっぱりお前あそこちゃんと全員に謝れや!!!菓子折り持っていけや!!!!!オイ!!!!!!笑うな!!!!!!!!!!」みたいなね。

 

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まあでも、中盤、コアラが何とか資金集めをする為に身体張るシーンの下りは本当に好きで。もうマジで「俺は今一体何を見てるんだ…??」って自分の目を疑いたくなる様なシーンなんですけど。もう基本狂人なんですよね、このコアラって。ここまで死ぬほど前向きだったりすると、逆に清々しく思える部分もあったりして。

終盤の盛り上がりに向かえば向かうほど、そのコアラのテンションに付き合うかの様に「なんじゃそりゃ!?」っていう展開も多くなったりしていくんですけど。細田守映画の終盤によくある「倫理的にどうとかは一先ず置いておいて…」みたいなのが人数分ある終盤の感じ、その狂った勢い含めて、個人的には楽しく見られた1本でした。

 

 

どうでもいいんですけど、ゴリラが出てきた瞬間に後ろの席のカップルが「全力少年の人だ!」って結構デカめの声で叫んだんですよね…。

シング-オリジナル・サウンドトラック

シング-オリジナル・サウンドトラック

 

 

 SING繋がりで…

 

くすぐり/ Tickled

イヤ、なんかアレですね。映画の感想ばっかり書いてますね。前頭葉が壊死しちゃったんでもう何でもいいんですけど。

コレ以降から、多分映画の感想が多くなってくるかもしれなくて。やっぱり、何というかもうマジで書くことが無いんですね。今そうなってるだけなのかもしれないんですけど、数年前みたいな自己卑下120%の日記書くみたいなモチベーションもそんなに無くなってしまって。この先、また書きたくなる様な時もあるかもしれないし、もう無いかもしれないし。前の鉄板を磨く会社を辞める理由だった「小説家を目指していて…」の小説もここで見てもらう感じでも無いんで。っていうか出来てないんで。全く。

 

 

書きたいけど何を書けばいいのかさっぱり分からない、っていう感じが長らく続いて、ブログを更新する機会もいつも以上にグッと減っていた時期がもう何年も続いているような状況で。っていっても、やっぱり俺は書く事が好きだし、少ないながらもこの半分死んでるようなブログを見に来てくれてる人もいてくれていて。このままTwitterでどうでもいいような文字列をちょっとずつ書いて、またそっちでもフェードアウトしていって…っていうのでは、ちょっと寂しすぎるかな…みたいな所もあって。どんな形であっても、今自分が書ける事を続けていこうと、そういう気持ちでいます。

なので、全国で多分8人くらいいた今までのブログのスタイルを気に入って見に来てくれた人には申し訳ないんですけど、これからは映画の感想を主体にしていきたいな…という所存です。

まあこんなの所詮俺なんで。2週間後には映画の感想すら全く書かなくなってるかもしれないし、また別にブログ作るかもしれないし。っていうか俺明日死ぬかもしれないし。ただ、まあ映画の感想になっても自己卑下120%みたいな所は変わらないかも…みたいな予感だけはしてます。何とか頑張って書いてみますので…。

 

 

で、前置きはここまでにしておいて。何ならもう一切上のヤツ見なくてもいいですから。「なんか文字いっぱい書いてあるし、読み飛ばしてここから読も…」ってなって、とりあえずここまで来た人。

…正解!本題はここから…という感じなんで。はい。

基本的にその年に公開された新作映画を記事にしつつ、旧作は2,3本でまとめて「レンタルで見た映画」っていう感じでまた別に記事にしていきたいと思っています。

ということで、新作1本目はこちらです。出来るだけネタバレはしない様に書いていきたいと思います…。

 

 

くすぐり/ Tickled

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あらすじ: くすぐりに耐える行為が競技として撮られた動画を、ジャーナリストのデヴィッドが発見する。そこから若い青年を陥れる悪徳事業の存在が明らかになっていく。(Netflixより)

監督 デイビット・ファリアー ディラン・リーヴ

出演 デイビット・ファリアー ディラン・リーヴ デイビット・スター

 

80点

 

Netfilxで配信されているドキュメンタリー映画です。twitterでかなり話題になっている事もあって、これが見たいが為にNetfilxに加入してしまいました。いつレンタルショップに行ってもレンタルされててずっと見られなかった「ハウス・オブ・ガード」とかも全話視聴できるみたいで、マジで便利ですね。こういうのは。1カ月無料ですし、ソフトバンクの支払いと合算できるし。

 

お話はニュージーランド在住のとあるジャーナリストが「くすぐり我慢競技」なる動画をYouTubeか何かで見つけるんですね。クッションに横たわる男性が、縛られ、数人の男にくすぐられ我慢する…という『だけ』のくすぐり我慢競技なる動画に「なんやコレ」と興味を持ち、この競技の主催者に取材のアポを取ろうと連絡のメールを送ります。すると、何故か返信されたメールには主催者からの罵詈雑言が書かれており、「は?」と困惑してる間に脅迫、訴訟と、どんどんとエスカレートしていき…という所から物語は始まります。

 

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とにかく不気味な映画です。だんだんと物語の発端となった「くすぐり動画」の真相を知れば知るほど、その深すぎる闇に少しずつこちら側も飲まれていき、気が付いたらとんでもない所まで来てしまった…という様な、「直に触れられる狂気」がこの映画では体感できます。事実は小説より奇なりという言葉はありますけど、正にこの映画はそれを地で行く話で、「ぼくのかんがえたさいきょうのサイコパスがマジで実在していて、マジで今まさにこの瞬間も赤の他人の人生を奪っていくんですね。しかも「もう終わった話」ではなく、今もまだこの話、事件は続いているっていう終わり方も何とも後味の悪い着地をしていて。

 

実際に起こっている事件、そして現在進行形の事件を取り扱った映画といえば、「スポットライト  世紀のスクープ」が思い浮かびます。

askicks1248.hatenablog.com

 (以前感想を書いた記事では、2016年新作映画ランキングの29位にさせてもらいました)

 

 

これも凄く面白くて、映画にした意義のある作品だったと思うんですが、当然こちらは役者を起用していて、なんか凄いバカな言い方ですけど「人の手」が加えられている感じにはなっている訳じゃないですか。実際あった事件として勿論リスペクトはしつつも、2時間で纏められるエンタメ作品として仕上がっていたと思うんです。

 

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で、まあドキュメンタリーなんで当然といえばそうなんですけど、「くすぐり」では、そういう「人の手」が加えられた感じがあんまりしないんですよね。主人公であるジャーナリストが、事件に首を突っ込んでいき、概要を知り、後戻りできない所まで来てしまった、っていうのを時系列順に、そして凄く丁寧に見せていくんで、観客と作り手側を同一化させて、徐々に徐々にこの「くすぐり動画」が孕んでいた狂気に飲み込まれていくっていう過程が、凄く身に迫って来るんです。「カメラ」と「俺」の間を感じさせる物が無くて、終始緊迫感が続きっぱなしなんですよ。アポなしでカメラ持って突撃取材しにいく所とか「イヤ、俺も行くの!?」って見ててなってましたもん。俺。

 

この映画が何故「遠く離れた外国のサイコパスが起こした変わった事件」ではなく、実在感がある話に感じられるのかというと、この「くすぐり動画」に纏わるアレコレっていうのが、「俺でもできそう」っていう所な気がするんです。この事件ほど組織化されたシステムは実現できないにしても、ちょっとのお金と、インターネット設備と、撮影機材さえあれば…ホラ!他人の人生破滅、一丁上がり!!みたいな。

 

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「言葉」とか「文化」ではなくて、「悪意」っていう万国共通のものさえあれば、フィラデルフィアに住む黒人でも、新潟に住む俺の人生を破滅する事なんてマジで簡単なんだよな…っていうのを、1から10までちゃんと説明されたみたいな実感だけが残るんですよ。この映画って。そういう意味で今までにない映画体験が出来た作品でもあったし、「上手い話なんてこの世にはないんだな…」っていう当たり前の事実を突きつけられた気もします。中学高校の修学旅行に向かうバス車内とかで流してほしいんですよねコレ。イヤマジで。

 

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キャラクターもみんな立っていて、良いんですよ。主人公が序盤で空港に行くシーンがあるんですけど、主人公がかなり相手を小馬鹿にしてるのがあるアイテムで分かるんで、笑えたり。また中盤ではある登場人物がインタビューで「性的な要素は無いよ。もちろん。」つってドヤ顔した数分後に完全に屈強な男性の乳首触り始めた時の主人公の表情で笑っちゃったり。(ここはマジで必見です)そういう序盤から、終盤の「狂気」が正に目の前に現れた時の戦慄とのギャップも、またこの映画の魅力でもあったり。

 

この映画が公開された数か月後の今年の3月に、映画内の登場人物がちょっとした目に逢ったりしてるのがまたゾワゾワ~~~~!!って来たりするんですけど、ちょっとマジであんまり調べずに見てほしい作品なんで、何も知らないままにNetfilxに加入するのが最善なんですよ。本当に。「くすぐり動画?そんなバカな動画が題材のドキュメンタリーとか…」となってる人こそがこの世で一番この映画を楽しめる立場にいる人なんで。

 

最早恐ろしいアイテムにしか見えねえ…