ジオストーム

ここ最近ずっと雪が降りっぱなしなので、マジで本当に命の覚悟をしながら出勤しています。死ぬのかな?死なないのかな?の花占いにたまたま成功してます、みたいな感じで何とか生きてるんですけど、ここから更に車で40分かけて地元の映画館まで行くのは自殺行為というか自殺そのものなので、今月は映画館に行く頻度がいつもより減ってます。映画館に行かないと何故か金がメチャメチャ溜まる。不思議だね。

 

2018年最初の映画は、こんな感じです。

 

ジオストーム

ポスター画像

監督 ディーン・デブリン

製作 デビッド・エリソン ディーン・デブリン ダナ・ゴールドバーグ

製作総指揮 ハーバート・W・ゲインズ
出演 ジェラルド・バトラー
   ジム・スタージェス
   アビー・コーニッシュ
   アレクサンドラ・マリア・ララ
   ダニエル・ウー

製作国 アメリカ

上映時間 109分

(あらすじ)

地球の気候をコントロールすることを可能にした人工衛星が暴走し、世界中が異常気象や大災害に見舞われるなかで、未曾有の危機に立ち向かう人々の姿を描いたディザスターパニックアクション大作。「インデペンデンス・デイ」の製作・脚本を手がけたディーン・デブリンが監督として初メガホンをとり、「エンド・オブ・キングダム」のジェラルド・バトラー、「クラウド アトラス」のジム・スタージェスをはじめ、アビー・コーニッシュエド・ハリスアンディ・ガルシアといった豪華キャストが出演している。世界各国の最新テクノロジーを集結し、天候を完璧に制御することを可能にした気候コントロール衛星の運営開始から3年。突如として衛星が暴走を始め、世界中で異常気象を発生させる。衛星の生みの親でもある科学者のジェイクは、衛星の暴走原因を突き止めるため宇宙へ向かうが……。

 

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50点

 

所謂ディザスタームービーです。

地球がドッカンドッカンでとにかくヤバイ!系映画の第一人者といえばローランド・エメリッヒが挙げられると思うんですが、今作の監督はそのエメリッヒの「インデペンデンス・デイ」の2部作や、エメリッヒ版「GODZILLA」で制作・脚本を務めたディーン・デヴリン。テレビドラマやアニメ作品では監督を務めた事があるそうですが、劇場公開作品では今作が初監督作品となっています。

 

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予告編で「こんな感じかな」と想像できる作品だと思うんですけど、正直予告編で出てきた世界の各都市壊滅シーン以上にハラハラする所はあんまり無かったです。というか、何も考えずに楽しく見られる作品、とは全然言えない作品でした。

「何も考えずに楽しめる」ってよく聞く文言ですけど、それって軽く言われる割には結構ハードル高いアレだと思うんですよ。何も考えさせないっていう事は、何も気にさせない、物語の矛盾に気付かせないっていう事でもあるじゃないですか。見てる方を正気に戻させないくらいのテンションの高さを劇中で維持し続けないとならない、っていう点で、それをクリアしてるんならもう普通に名作とかって言われてる作品になっちゃうと思うんですよね。別にいいんですけど。

 

今作が見てる方をどうかさせてくれない、狂人化させてくれない要因は、やはりメリハリが無いっていう所だと思います。ジェラルド・バトラー演じるジェイクと、ジム・スタージェス演じるマックス。この2人がそれぞれ宇宙ステーションと地上、この2つの場面を交互に見せながら、1つの目標に向かっていく様子をカットバックで描いていくのですが、この2つの物語がそれぞれに薄味な印象でした。兄のジェイクが担当する宇宙ステーションでのシーンは犯人の跡をただただ追ってくだけで事件解決に貢献してる感じがあんまりありません。とにかく延々と犯人の後手後手に回っていくだけなので、カタルシスが全くない。弟の方はどこかで見た様な展開の連続なんですけど、やっぱりディザスターシーン以外にはオッとなる見せ場は殆どなかった印象です。

 

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こういうジャンルムービーなら地球崩壊シーンだけでもちゃんと盛り上がってるならそれでいいのでは?って感じもあるんですが、この映画の一番の難点はそこなんです。

この映画では、異常気象に見舞われて地球が崩壊していく現象を「ジオストーム」と名付けて、それを止める為に皆が奮闘します。そして映画の終盤で、「ヤバイ!あと〇時間でジオストームが起きる!止めないと!」っていう大味な盛り上がりどころがあるんですが、ここで同時に「残り30分!」って言いながら、カットバックでブラジルの海が凍ったり、砂漠に津波が起きて街が飲み込まれたりっていう様を見せてるんです。

ヤバイ!地球が終わる!間に合うか?間に合わないか?ってやりながら、見せ場としてどう考えてももうとっくに地球が人間の住める環境でなくなってしまった様なド派手なディザスターシーンを何度も入れるんですね。イヤ、もうそこがやり過ぎてて、とっくにその「ジオストーム」は起きてて、人類破滅してるようにしか見えないんですよ。アラブの国に完全なる津波来てビル街とか壊滅してんすよ?

そもそもその「ジオストーム」っていうのが具体的にどういう状態のモノを指すのか、っていうのが提示されないんで、一番の盛り上がりどころで、前フリが全然生きてこないんです。ジオストームが起きる事で今まで以上の災害が起きるのか、もうすでに被害に遭っている各都市はそれからどうなるのか、といった「もし失敗したらどうなる」がイマイチ分からないので、なんか勿体ない感じで終わってくんです。

 

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ディザスターシーン自体は楽しいです。ロシアでは何故か殺人光線が発射されるし、東京では胎児くらいの雹が降ってくるし、中国人は可哀そうに死んでいくし。ただ、その見せ方がかなり微妙で、正直この出来なら80分くらいでまとめて欲しかったっていう感じです。109分でも長すぎ。

「まあどうせ大したことないんだろうけど一応見ておくか…」でメチャメチャ面白かった「イントゥ・ザ・ストーム」の例があるんで、こういう明らかなB級臭ディザスター物は出来れば積極的に見ておきたいんですが、今作は本当に「大したことなかった…」って感じです。皆さん「イントゥ・ザ・ストーム」を見ましょう。