バクマン。っていう映画を見たんですけど、

バクマン。っていう映画を見たんですけど、良かったです。バクマン。と渇き。のネタバレがあります。

 
 
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 予告編はこんな感じです。
 
 
 
 
 
ヒロインの亜豆が『渇き。』のアイツなので、予告編を見る度に「佐藤健も昏睡レイプされてしまうのでは…」「亜豆がアニプレックスのプロデューサーの國村隼枕営業をするシーンが映画に映ってない所で行われているんじゃないのか…」「佐藤健がプロデューサーの國村隼からアニメ決定の報告を電話で伝えられて大喜びしてるその受話器の向こう側では亜豆が國村隼をフェラしてるんじゃないのか…」「私の好きなヤツだ…」と心配になったり、『桐島、部活辞めるってよ』がメチャクチャ好きな人間なので「神木隆之介と前田の混同がまた私の中で進んでしまうのではないか…」「【神木隆之介 かわいい 画像】で検索し続けた2週間がまた始まってしまうのではないか…」「前田…映画撮ってくれ…前田…」「瀬田宗次郎も好き…」と心配になったりと、動機を抑えるので必死だったのですが何とか2時間10分、座席に尻をくっ付け続ける事に成功しました。
 
 
 

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(前田・・・また俺たちの映画撮ってくれ・・・前田・・・)
 
 
 
原作が理詰めに次ぐ理詰めで新人作家がジャンプで連載を持つ為の心得、引いては漫画家が飯を食っていくには的な『作家にとって漫画界で生きるとは』を語るのにかなりエピソードを割いているので、そのイメージで映画館に行くとかなり驚くと思いますよ、「こんな人生になるとは思わなかった」でお馴染みの私が「こんな風になるとは思わなかった」と思いながら映画館から出ていったので、大抵の人が該当すると思います。思うと思った。
 
 
 
 
全然関係ないんですけど、バクマンで私が連想するのは「映画館でバイトしてた時クビになった先輩」です。
私が大学生だった頃、その頃はバクマンの原作が一番盛り上がってる辺りで、シフトがその先輩と一緒になって『ナショナル・トレジャー2』とかのお客さんのチケットをもぎる度に「バクマンを読むと辛い…」とため息をついていた奥原さんっていう人がいたんですよ。
で、ある日「漫画家とは漫画と心中するモノなんだ!」「覚悟を決めた!」って突然漫画の読み過ぎで言いだして『ゴーストライダー』とかの回で暇になると(ニコラス・ケイジばっかだ)バイト先の連絡帳とかをもぎり台に持ってきて、隠れてお客さんとか同じアルバイトの同僚とかの似顔絵をずっと書いてたんです。で、それを自分の【日々の成果】タグを付けて自分のブログにずっとアップしてたんですけど、2週間でバレて。奥原さんは時給が3年働いてるのに1年働いただけの私より時給が10円安くて。女子からは誰からも話しかけてもらえなくなって。
 奥原さん、お元気ですか。「やっぱり現実と漫画の世界は違う」と言って映画館から去っていった奥原さん、お元気ですか。コスプレイヤーと付き合っていた奥原さん、お元気ですか。連絡はいいです。
 
 
 
 
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(奥原さんは仁志に少し似ていました。)
 
 
 
ただ、誰でも楽しめる大衆娯楽映画を目指したこちらのバクマンなら、奥原さんもまだ安心して見る事が出来たかもしれません。原作が定食屋で鯖の塩焼き定食、ご飯少なめな感じなら映画版は松屋のビビン丼大盛りって感じなので、拗れてしまったワナビの方々もストレスをあまり感じる事なく鑑賞できると思います、ビビン丼食券で買えますし。劇中で何度も台詞で繰り返される「友情・努力・勝利」っていう【普遍的な正義】とか【自らの利益を顧みない自己犠牲】を主人公たちが実際に体現していく終盤の展開とかかなり良かったし(中学校を卒業して以来「マジで殺すぞ」か「早く帰っておちんちんを大きくしたい」が口癖になった私でも『正義』とか『ご飯を食べたらちゃんとお金を払う』とかは好きだ)その周りにいる仲間たちのメンツが皆川猿時新井浩文って。キャスティング最高でしょ最高以外にないでしょ。平丸さんが小出恵介とかじゃなくて本当に良かった。中井さんが明るい皆川猿時で本当に良かった(イヤ、周囲に女が出てこない中井さんだったなら原作も善人のままでいられた?)。
 
 
 
 
長い原作を劇場版として成立させる為に「家族」や「ラブコメ」を完全に切ったのは英断だったと思いますけど、感情の高ぶりの表現が『2人が顔を見合わせてオッオッオッと叫ぶ』ばっかりなので「イキ顔が下品系の薄い本かな?」となったり、3日徹夜したと言う割には毎日風呂入ってる私よりも整ってる佐藤健の眉毛に「…」となったり、単純な少年たちの王道サクセスストーリーに徹した割には隙が結構多い事は多いんです。音楽も使い方がおかしい所あって、せっかく神木隆之介が泣いてんのに【困惑】みたいな伴奏が流れるし。サカナクションが干上がってました、可哀想に。
 
 

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 (Siri、オナティッシュをトイレに流して)
 
 
 
ただ、例えばこの前の『ピクセル』と明らかに違うのは「作ってる側が漫画、引いては漫画を作るってことをしっかりリスペクトしてくれているのが観てる側にもちゃんと分かる」事だと思います。勿論、白眉なのは本編終了3分前からエンドロールまでの下りなんですけど(私は正直ここで一番感動しました)序盤の最初の山場、「ジャンプ編集部を訪れて初めて作った漫画を見せる」という下りでも、編集部を訪れるまではあくまで自分たちの生活範囲よりも狭い「学校での2人」「仕事場での2人」だけを見せて、極力場面の展開を抑える事で【漫画を編集部に持っていくこと】を最大限に劇的に見せていて、「あっこの映画絶対いい」と思わせてくれる序盤20分でした。イヤ20分かどうかは知らない。体感。
 
 
ダイジェスト風味だし、服部さんは何もしてくれないし、病院の窓から遠くに見えた亜豆に気付いて前髪を直してたら5秒くらいで病室まで移動する(あそこは『前髪を直してたら急に画面が目の前にいる亜豆に変わって、身なりを整えるのに集中し過ぎて亜豆が病室入ってくるのに気付けなかった』とした方が絶対よかった)し、映画的な演出でも完璧とは程遠くて「今年のNO.1邦画」「映画史に残る名作」では全然無いんですけど、なんかこう自分が好きな物をちゃんと尊敬しながら作ってくれた物は、やっぱいいっすよねという結論です。ここは良かった、ここはおかしい、神木隆之介が俺を、こっちをを見てる…!などなど、ああだこうだ言いやすい映画だった様にも思えます。
私は映画に点数を付けるのはあんまり得意じゃないんですけど、一応初めてのちゃんと書いた映画感想記事なので基準として書いておくと…………じゃあ70点で…。
 

 

 

 

 原作。10巻くらいまでは追ってました。

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

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 アニメ。NHKでやってたのを今知りました。

バクマン。 1stシリーズ DVD-SET

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  前田。邦画の金字塔。かすみちゃんなんか追っかけるの辞めてウチに来いウチに。

桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]

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