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サナトリウム幼少伝

ふと思い返すと雑誌を全く買わなくなっていた。大抵の情報はネットで見れてしまうし何よりネットは「速い」。わざわざ雑誌発売日まで待ち、定価を払って見ずとも必要な情報は全部ネットで完結できる様になった(エロも然り)。この科学の進歩にはどれだけお世話になっている事か(エロも然り)頭が下がる思いだ。



漫画も母親が買ってくるジャンプくらいしかちゃんとは読んでいないし、後は流し読みな感じでコンビニで立ち読みする程度。とは言ってもそれも「マガジン」「サンデー」「チャンピオン」から始まり「モーニング」「ヤングアニマル」「BRUTUS」「monoマガジン」「ファミ通」「電撃プレイステーション」「サッカーマガジン」等々多岐に渡るから、いくらパラパラと捲る程度でしっかり読んでいないとしても、少ない小遣いで数冊の雑誌をマジマジと読んでいた頃よりも、脳に入ってくる情報を累計してしまえば寧ろ多くなっているのかもしれない。というか俺はコンビニで立ち読みしすぎだろう。書いてて気付いた。



昔からよく買っていた漫画雑誌といえば小学校に入学してからずっと買っていた「コロコロコミック」だろうか。当時は「ミニ四駆」や「ビーダマン」「ハイパーヨーヨー」が全盛期を迎えている頃で、コロコロでも「正しい肉抜きの仕方」とか「おもちゃ屋に行ってヨーヨーの技を見せてライセンスを貰おう!」みたいな特集が組まれていた。僕も「コロコロを読む子供の義務」を守る為にミニ四駆やヨーヨーを買うべく、月1000円のお小遣いをコツコツ貯めたり、誕生日やクリスマスに親にせがんで買い与えてもらったりしたのだが、結局一つも長続きしなかった。最初に買った玩具はミニ四駆だったのだが、当時の僕は、まさかミニ四駆というおもちゃが、漫画の様に僕の指示通りに右に曲がったり左に曲がったりが出来ない代物だとは思いもしなかった。だから、初めて電池を入れ電源をONにし、外で走らせようとした際に(さすがにコースまで買うお金は無かった)「いけっソニック!ここはオフロードコースでデコボコしてるから、スピードは抑え目で行けよ!それが過ぎたら右に曲がって獣道に入るんだ!真っ直ぐ行くとコースアウトするからな!」と言ってミニ四駆を手から離した途端、小石を弾き切れずドタドタギシギシと走り、そのまま真っ直ぐ最高速度で水を張った田んぼに一直線に突っ込んで行く我が機体ソニックを俯瞰で見ていた時は、あっという間に自分でも熱が冷めて行くのが分かった。ソニックは次の日から妹のお飯事に使われる「ブーブー」と成り果てた。



それから数ヶ月して「ハイパーヨーヨー」を買った。これがべらぼうに高くて確か5000円くらいした様な記憶がある。(この数週間前に僕がヨーヨーが欲しいのを知って、おばあちゃんが回すと音を鳴らしながらピカピカ光るパチモンの480円ウソハイパーヨーヨーを買ってきてくれたのだが「こんなニセモノいらねえよ!」とおばあちゃんに怒鳴りつけた話はまた今度)しかし、このヨーヨーが難しい。コロコロに載っていた「ヨーヨーの技・レベル1~30」みたいな販促記事を、買う前は「まあ始めた頃はレベル8くらいまでしか出来ないかな。ヨーヨーの知識は付けたからすぐ慣れると思うけど」と抜かしていたはずが、レベル1の「ロングスリーパー(ヨーヨーを回転させ続けながら10秒間維持する)」も全く出来ない。でも馬鹿なので「でもレベル9のアラウンド・ザ・ワールド(ヨーヨーをロングスリーパーで回転させながら体の横で一回転させる)は出来るかも!」と挑戦。居間でとりあえずヨーヨーをぶるんぶるんと振り回し「あれ!出来てるかも!っていうか出来た!」とまた調子に乗って勢いを増して振り回すと後ろから「ガッシャーン!!!」と大きな音。見ると振り回したヨーヨーの反動でガラス大破。ヨーヨー破損。親大激怒。ヨーヨー取り上げ。僕大泣き。この一件でもう二度とヨーヨーで遊ぶことは無かったので、僕の中ではヨーヨーは単なる「ガラス破損玩具」の印象が強い。もしくは「居間で危険物振り回し幼児」だろうか。


僕にとって「失敗玩具」の印象が強く残るコロコロだが、もう一つ、中学、高校と買い続けてきた雑誌が「ファミ通」なのだが、こちらは「エロ」が主な目的で買っていた。確かにゲーム情報も面白かったのだが、たまに表紙を飾るグラビアの娘の露出度低めの服から覗く鎖骨だったり、デッドオアアライブというちょっとエッチな格闘ゲームのビーチバレー版の開発ページ、攻略ページなんかではとても興奮していた。しかもエロ本と比べて本屋で買う時には、人の目も気にせず済み、親に見つかっても表紙は「ファミ通」なのでエロ本が見つかった時と比べるとデメリットがほぼ無いという画期的発明。これを導き出した時は「俺はとんでもないモノを作ってしまった...」と打ち震えた物だった。しかし、こう書いてみると「欲しい情報はネットで完結してる」とは最初に言っても、雑誌も立ち読みではあるがしっかり読んで情報は得ている様な気もするし、そもそもネットをする時、僕は一体どんな情報が得たかったんだろうと考えていたが、ファミ通の下りを書いてる時に気付いた。エロだ。ネットの「速い」特性を、僕はそういう所でよく使っていたのだ。納得した。