ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

コレ多分俺が初めて気が付いたヤツだと思うんですけど、頭にタオルを巻くと下を向いても髪の毛が顔にかからないからメチャメチャ便利なんですよ。このアイデアで食っていこうって思ってます。

 

 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

ポスター画像

解説
アベンジャーズ」シリーズに代表されるマーベル・シネマティック・ユニバースの一作で、お尋ね者たちが成り行きでチームを結成し、銀河の危機を救う羽目になる姿を描いたアクションアドベンチャーガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のシリーズ第2作。スター・ロードを自称するいい加減なリーダー、ピーター・クイルを筆頭に、美しき暗殺者のガモーラ、毒舌なアライグマのロケット、樹木型ヒューマノイドで25センチまで再生したグルート、マッチョな破壊王ドラックスのガーディアンズの面々が、新たな危機に直面し、再び強大な敵と立ち向かうことになる様を描く。高慢な指導者アイーシャが率いる黄金の惑星で、小遣い稼ぎの仕事をこなしたガーディアンズ。しかし、ひょんなことからアイーシャを怒らせてしまい、追われる身に。危機に陥った彼らの前に、ピーターの父親だという謎の男エゴが現れるが……。クリス・プラットゾーイ・サルダナら前作からのキャスト陣に加え、ピーターの父エゴを演じるカート・ラッセルのほか、シルベスター・スタローンも参戦。監督・脚本も前作と同じジェームズ・ガン

監督 ジェームズ・ガン 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「スーパー!」

脚本 ジェームズ・ガン 

制作 ケヴィン・ファイギ 「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズ

音楽 タイラー・ベイツ 「ジョン・ウィック」「ウォッチメン

撮影 ベン・デイヴィス 「キック・アス」「アベンジャーズ

編集 クレイグ・ウッド 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

出演 クリス・プラット 「ジュラシック・ワールド

   ゾーイ・サルダナ 「アバター

   デイヴ・バウリスタ 「007 スペクター」

   ブラットリー・クーパー 「アメリカン・スナイパー

   ヴィン・ディーゼル 「ワイルド・スピード」シリーズ

   カート・ラッセル 「遊星からの物体X

制作国 アメリカ

上映時間 136分

 

予告のヤツです

前作のアレです

 

90点

 

出演者をズラーっと書いてるだけでテンションが上がってくる映画もそうないんですけど、それのヤツです。またあいつらに会いたい。

 

超大傑作面白映画、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の続編です。マーベル・シネマティック・ユニバースの作品でもあって、シリーズでは15作目に当たるんですが、この「ガーディアンズ」の2本は結構独立した映画としても楽しめるんで(そこが本当に偉いと思うんですけど)、以前感想を書いた「スパイダーマン:ホームカミング」あたりのアベンジャーズ色強い作品よりかは見やすい作品にはなっていると思います。(もちろんスパイダーマンも超面白かったですけど)前作は2014年公開作品ではブッチギリで一番面白かった映画だったと記憶していて、個人的には生涯ベストにも入るような作品だと思ってます。

 イヤ、もうね イヤこれは本当に

 

音楽とか詳しくはないんで知識は全然無いんですけど、前作の一番大きな発明つったらスペースオペラに現代音楽を劇伴として用いる」っていう所ですよね。70年代~80年代の楽曲を宇宙空間やらワープやら飛行船やらがバンバン出てくる世界観で使うことそのものがフレッシュだし、ただ単に奇をてらった物ではなく、しっかりと歌詞と物語をシンクロさせていて。

しかも、そこに「主人公の母が好きだった楽曲を集めたカセットテープからの音源」っていう設定も合わさって、故郷の地球や、今は亡き母と自分を唯一繋ぐ物として、主人公が心のよりどころにしているのがこの楽曲たち…っていう、キャラクターに深みさえも与える機能を備えていてジェームズ・ガンがヤバイ。こういう背景がメチャクチャしっかりしてるんで、ピーターがガモーラにカセットからの音楽を聞かせて「思い出を共有すること」を得て、ガモーラと心を通わせるシーンが本当に胸を打つんですよね。「音楽が他人の心を動かす」というのを、劇伴でも、そして「実際に劇中の登場人物に聞かせる」という所でも実践しているんで、ここに凄く説得力を持たせているんです。

大人も楽しめるダーク・コメディとしても、昨今の娯楽映画に与えた影響は大きいです。「デッドプール」なんかは完全に「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の成功があったから、完全に大人向けのヒーロー映画として成立できた所が大きいですし、「スーサイド・スクワッド」の予告編でのqueenボヘミアン・ラブソティをバックにキャラクターたちのアレコレを見せていく感じとか、完全にそれっぽいし。こっちは作品の出来としてはアレでしたけど。

 

予告編ではメチャメチャ面白そうだったはずなんですよ

 

キャラクターもみんな本当に魅力たっぷりに描かれていて、やっぱり俺は何より「またあいつらと会える!」っていう所で今作が非常に楽しみであったりしていて。主要の5人のメンバーって、やっぱり重い過去を背負っていた訳じゃないですか。(グルートは巻き込まれただけっぽいですけど)でも彼らが、短い旅を経て、少しずつチームとして、そして初めて出来た家族として絆を深めていく描写が本当に丁寧だし、優しいし、そしてそれらに全部覆いかぶさってく感じで「しかも楽しいし!!!」がやってきていて。

前作の最終決戦で、これまでの人生、何も成し遂げられなかった彼らが、苦しむピーターの手をガモーラが握り、ガモーラの手を、ロケットが、グルートが、ドラックスが握って「痛みを共有する」ことを経て本物のヒーローとなり、絆を確かなものにした下りとか、俺です。これ完全に。俺がこいつらです。俺がグルート。感動とかじゃないです。催涙です。あれ。刑務所でのドタバタとか、俺映画館で見てて声に出して「楽しい」って言いましたからね。マジで。

 

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ウワー立ってる

 

で、今作なんですけど、何人かの新しいキャラクターも増えつつ、ピーターの生みの親であるカート・ラッセル扮するエゴと、前作でも登場した育ての親であるヨンドゥを軸として、2つのストーリーラインを交互に見せながら、ピーターの出生について語っていく、というのが本筋のストーリーになっていきます。

正直、思う所が全くない訳ではなくて。特に前作で力を使い果たして完全に子供になってしまったグルートの、Twitterにネコの動画botにリプライを送るドブスSNOW加工の女アカウントが「かわいい~~~」って無条件で喜んでそうな感じだったり、終盤の「ハイ!じゃあ泣く感じで!」みたいなやる気満々の展開だったりが、ちょっとウェットすぎる様な印象は受けました。前作の笑いながら泣いてしまう感じより、若干泣かせ感が強まったっていうか、そりゃ誰だって赤ちゃんが頑張るのと、終盤のアイツがアレしたら普通ウォンウォン泣くに決まってるじゃないですか。ストーリーの良しあしとは関係なく。あとはちょっとキャラクター同士の関係性を深めるイベントがちょいちょい挟まるんで、物語の進行があんまり進んでくれない様な所もあって。掛け合い自体は楽しいんですけど、若干バランス的にどうなんだ?っていうのは、やっぱりありました。

 

画像2

ウワー視認してる

 

でも、それらが全部吹き飛んで消し飛ぶほどのパワーと勢いと楽しさが詰まった映画であることは間違いなくて。そもそも笑って楽しい痛快娯楽映画をスペースオペラでやってくれる、しかも前作よりあらゆる部分を増し増しでっていう所だけでもう俺はこの映画が『超好き』以外の何物でもないんですけど。

また登場人物が多くなってはいるんで、キャラクターそれぞれの見せ場を作るあまりに逆に見にくくなってしまいがちな所を、ここは「ピーターとエゴ」「ヨンドゥとロケット&グルート」「ドラックスとマンティス」「サモーラとネビュラ」の4つの組み合わせをストーリーを進めていく上で殆ど崩さないままなのも、見やすさを気にかけているのが分かりましたした。思った以上にとっ散らかった感じにはならなかったのが、終わってみると意外な感じだったり。一件冗長に感じられたキャラクター同士の掛け合いも、終盤に向かうに連れてちゃんと機能していて、「関係性の掘り下げ」と「ストーリーテリング」を両立させていたと思います。

前作で盛沢山だった「こんなの見たことない!!」的な映像としての見せどころも、例えばヨンドゥが矢で敵を倒していく過程を、監視カメラからの映像を経て見せていって、最終的に飛行船内部を上から俯瞰した角度で、音楽に合わせて、中央にいるヨンドゥがまるで指揮者の様にドンドン全滅させてく下りとか、フレッシュでメチャメチャ良かったです。っていうか映像の色彩のゴージャスさが本当に目の保養になる映画でもあるんで、全編に渡ってこんなの見た事ない!は続くんですけどね。

 

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こんなバカみたいな画作りします?って感じの下りです

 

あとはメリー・ポピンズの下りとかね。あの~まだ見ていない人は何のことだかさっぱり分からないと思うんですけど。ディズニー映画のアレで間違いないです。ないんですけど、まあ俺、吹き替えで見たんですよ。地元で字幕版の上映やってなくて。で、ピーターの吹き替え山寺宏一だったんですけど、山ちゃんの笑いながらもグッと一息飲んで「…いい男だよ」の最高の演技が聞けたんで、もう俺は死にました。全部の穴から粘着性の高い液体が出ました。俺はここがガーディアンズっぽい「笑いながら泣いてしまう」感を一番感じた所でもあって、コレを書いてる今も少し涙腺が緩んでます。

 

メリーポピンズ [DVD]

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スターウォーズ的な作りだった前作から、今作で「血筋の優位性」を自らの選択で捨てる所とか、やっぱりこの2017年に映画館で見る事が出来て本当に幸せだったと強く感じた1本でした。「この世界をずっと見ていたい」と思わせてくれる、そして夢中にさせてくれる最高のエンタメ作品になったと思います。まだ未見の方、イヤそれはマジで飯食うより損してますよ。っていうか俺は「まだ見てない」の状態に戻りたい。できれば前作と合わせて是非!!

 

GUARDIANS OF THE GALAXY

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