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くすぐり/ Tickled

イヤ、なんかアレですね。映画の感想ばっかり書いてますね。前頭葉が壊死しちゃったんでもう何でもいいんですけど。

コレ以降から、多分映画の感想が多くなってくるかもしれなくて。やっぱり、何というかもうマジで書くことが無いんですね。今そうなってるだけなのかもしれないんですけど、数年前みたいな自己卑下120%の日記書くみたいなモチベーションもそんなに無くなってしまって。この先、また書きたくなる様な時もあるかもしれないし、もう無いかもしれないし。前の鉄板を磨く会社を辞める理由だった「小説家を目指していて…」の小説もここで見てもらう感じでも無いんで。っていうか出来てないんで。全く。

 

 

書きたいけど何を書けばいいのかさっぱり分からない、っていう感じが長らく続いて、ブログを更新する機会もいつも以上にグッと減っていた時期がもう何年も続いているような状況で。っていっても、やっぱり俺は書く事が好きだし、少ないながらもこの半分死んでるようなブログを見に来てくれてる人もいてくれていて。このままTwitterでどうでもいいような文字列をちょっとずつ書いて、またそっちでもフェードアウトしていって…っていうのでは、ちょっと寂しすぎるかな…みたいな所もあって。どんな形であっても、今自分が書ける事を続けていこうと、そういう気持ちでいます。

なので、全国で多分8人くらいいた今までのブログのスタイルを気に入って見に来てくれた人には申し訳ないんですけど、これからは映画の感想を主体にしていきたいな…という所存です。

まあこんなの所詮俺なんで。2週間後には映画の感想すら全く書かなくなってるかもしれないし、また別にブログ作るかもしれないし。っていうか俺明日死ぬかもしれないし。ただ、まあ映画の感想になっても自己卑下120%みたいな所は変わらないかも…みたいな予感だけはしてます。何とか頑張って書いてみますので…。

 

 

で、前置きはここまでにしておいて。何ならもう一切上のヤツ見なくてもいいですから。「なんか文字いっぱい書いてあるし、読み飛ばしてここから読も…」ってなって、とりあえずここまで来た人。

…正解!本題はここから…という感じなんで。はい。

基本的にその年に公開された新作映画を記事にしつつ、旧作は2,3本でまとめて「レンタルで見た映画」っていう感じでまた別に記事にしていきたいと思っています。

ということで、新作1本目はこちらです。出来るだけネタバレはしない様に書いていきたいと思います…。

 

 

くすぐり/ Tickled

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あらすじ: くすぐりに耐える行為が競技として撮られた動画を、ジャーナリストのデヴィッドが発見する。そこから若い青年を陥れる悪徳事業の存在が明らかになっていく。(Netflixより)

監督 デイビット・ファリアー ディラン・リーヴ

出演 デイビット・ファリアー ディラン・リーヴ デイビット・スター

 

80点

 

Netfilxで配信されているドキュメンタリー映画です。twitterでかなり話題になっている事もあって、これが見たいが為にNetfilxに加入してしまいました。いつレンタルショップに行ってもレンタルされててずっと見られなかった「ハウス・オブ・ガード」とかも全話視聴できるみたいで、マジで便利ですね。こういうのは。1カ月無料ですし、ソフトバンクの支払いと合算できるし。

 

お話はニュージーランド在住のとあるジャーナリストが「くすぐり我慢競技」なる動画をYouTubeか何かで見つけるんですね。クッションに横たわる男性が、縛られ、数人の男にくすぐられ我慢する…という『だけ』のくすぐり我慢競技なる動画に「なんやコレ」と興味を持ち、この競技の主催者に取材のアポを取ろうと連絡のメールを送ります。すると、何故か返信されたメールには主催者からの罵詈雑言が書かれており、「は?」と困惑してる間に脅迫、訴訟と、どんどんとエスカレートしていき…という所から物語は始まります。

 

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とにかく不気味な映画です。だんだんと物語の発端となった「くすぐり動画」の真相を知れば知るほど、その深すぎる闇に少しずつこちら側も飲まれていき、気が付いたらとんでもない所まで来てしまった…という様な、「直に触れられる狂気」がこの映画では体感できます。事実は小説より奇なりという言葉はありますけど、正にこの映画はそれを地で行く話で、「ぼくのかんがえたさいきょうのサイコパスがマジで実在していて、マジで今まさにこの瞬間も赤の他人の人生を奪っていくんですね。しかも「もう終わった話」ではなく、今もまだこの話、事件は続いているっていう終わり方も何とも後味の悪い着地をしていて。

 

実際に起こっている事件、そして現在進行形の事件を取り扱った映画といえば、「スポットライト  世紀のスクープ」が思い浮かびます。

askicks1248.hatenablog.com

 (以前感想を書いた記事では、2016年新作映画ランキングの29位にさせてもらいました)

 

 

これも凄く面白くて、映画にした意義のある作品だったと思うんですが、当然こちらは役者を起用していて、なんか凄いバカな言い方ですけど「人の手」が加えられている感じにはなっている訳じゃないですか。実際あった事件として勿論リスペクトはしつつも、2時間で纏められるエンタメ作品として仕上がっていたと思うんです。

 

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で、まあドキュメンタリーなんで当然といえばそうなんですけど、「くすぐり」では、そういう「人の手」が加えられた感じがあんまりしないんですよね。主人公であるジャーナリストが、事件に首を突っ込んでいき、概要を知り、後戻りできない所まで来てしまった、っていうのを時系列順に、そして凄く丁寧に見せていくんで、観客と作り手側を同一化させて、徐々に徐々にこの「くすぐり動画」が孕んでいた狂気に飲み込まれていくっていう過程が、凄く身に迫って来るんです。「カメラ」と「俺」の間を感じさせる物が無くて、終始緊迫感が続きっぱなしなんですよ。アポなしでカメラ持って突撃取材しにいく所とか「イヤ、俺も行くの!?」って見ててなってましたもん。俺。

 

この映画が何故「遠く離れた外国のサイコパスが起こした変わった事件」ではなく、実在感がある話に感じられるのかというと、この「くすぐり動画」に纏わるアレコレっていうのが、「俺でもできそう」っていう所な気がするんです。この事件ほど組織化されたシステムは実現できないにしても、ちょっとのお金と、インターネット設備と、撮影機材さえあれば…ホラ!他人の人生破滅、一丁上がり!!みたいな。

 

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「言葉」とか「文化」ではなくて、「悪意」っていう万国共通のものさえあれば、フィラデルフィアに住む黒人でも、新潟に住む俺の人生を破滅する事なんてマジで簡単なんだよな…っていうのを、1から10までちゃんと説明されたみたいな実感だけが残るんですよ。この映画って。そういう意味で今までにない映画体験が出来た作品でもあったし、「上手い話なんてこの世にはないんだな…」っていう当たり前の事実を突きつけられた気もします。中学高校の修学旅行に向かうバス車内とかで流してほしいんですよねコレ。イヤマジで。

 

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キャラクターもみんな立っていて、良いんですよ。主人公が序盤で空港に行くシーンがあるんですけど、主人公がかなり相手を小馬鹿にしてるのがあるアイテムで分かるんで、笑えたり。また中盤ではある登場人物がインタビューで「性的な要素は無いよ。もちろん。」つってドヤ顔した数分後に完全に屈強な男性の乳首触り始めた時の主人公の表情で笑っちゃったり。(ここはマジで必見です)そういう序盤から、終盤の「狂気」が正に目の前に現れた時の戦慄とのギャップも、またこの映画の魅力でもあったり。

 

この映画が公開された数か月後の今年の3月に、映画内の登場人物がちょっとした目に逢ったりしてるのがまたゾワゾワ~~~~!!って来たりするんですけど、ちょっとマジであんまり調べずに見てほしい作品なんで、何も知らないままにNetfilxに加入するのが最善なんですよ。本当に。「くすぐり動画?そんなバカな動画が題材のドキュメンタリーとか…」となってる人こそがこの世で一番この映画を楽しめる立場にいる人なんで。

 

最早恐ろしいアイテムにしか見えねえ…