シュウマイ弁当を駅に着いてから渡され、適当なベンチやら地べたやらに小学生60人ほどが固まり黙々と箸を進めた。
修学旅行にいい思い出がない。
小学校の修学旅行って普通、ディズニーランドとか京都とか沖縄だと思うんですけど、私たちの学校は「鎌倉→大江戸温泉物語」っていう渋すぎる1泊2日。
1日目に横浜まで電車で移動、「悪くなる前に食べるように」と、横浜名物シュウマイ弁当を駅に着いてから渡され、適当なベンチやら地べたやらに小学生60人ほどが固まり黙々と箸を進めた後は7月のムワッとする暑さの中で、歩きに歩いて鎌倉での寺巡り。
…スケジュールを組んだ教師陣は一体何のつもりだったんだ？
鎌倉での寺巡りというのが修学旅行でのメインイベントだったが、「こういう神秘的な風情が心地よくて…」「ここが北条高時の腹切やぐらなのね…」「季節の花とお寺の佇まい、この計算され尽くしたコントラストが見事だね…」「素敵…」って、小学生がなると思います？ただとにかく歩いて歩いて足を棒にして「…見た？」「見た」「次は？」「江ノ電…」「どっち」「あっち」で終わった。
平均年齢40代中盤、社員数20人程度の印刷会社の社員旅行ならこの行程も納得できるが、こちとら傘立てに刺さってた他人のビニール傘を使ってのチャンバラに大盛り上がりしたり、チャンバラの末にボロボロになったビニール傘の持ち主が数ヶ月ぶりに学校に来ていた岡田さんで「岡田さんの傘をボロボロにした人、自覚がある人は今言わなくてもいいです。」「今でなくていいですから、後で教務室に来てください。」「待ってます。」と静かにブチ切れてる上村先生の声を聞きながらまた空席になった岡田さんの席をジッと見つめたり、負けた方はデッキで一番のレアカード献上ルールでの賭け遊戯王に生きるか死ぬかを掛けていたガキなのだ。
「俺たちは【ディズニーランドでミッキー】でもなく【京都で金閣寺】でもなく、何故【横浜で谷繁】を見る事になっているんだ…？」と皆が皆、頭の上に「？」を浮かべながら、東出のセカンドゴロを見つめていたのが何とも不思議な時間ですごく印象に残っている。観戦していた間はリリーフ陣が頑張って1点も入らなかったし、前の席にいた先生方の「去年の修学旅行は巨人のマルティネスのホームランが観れた」っていう声もまた盛り下がりに拍車をかけて、小学生が初めて生で見るプロ野球にしては少し辛かった。
唯一の救いは母から「お金が余ったら隣の家の陸川さんにもお土産を買ってくる様に」の『お金が余ったら』に甘えて、発売されたばかりのFFⅨの購入資金に「余ったはずのお金」を充てる事が出来た所だろうか。ごめんなさい陸川さん。でもおまんじゅうとか食べたらすぐ無くなると思うんですけど、FFⅨって70時間くらい遊べるし、その後カメレオンクラブで買い取ってもらえるし、ちょっとした糖分摂取よりもずっと価値があったと思うんです。全部俺のでしたけど。
あと、困ったのはお風呂の時。
その頃の私は結構早熟な子どもで、もう既にすね毛も陰毛も相当に伸びやかな状態にあったんだけど、「おはようございまーす！！」的なつんつるてん状態のクラスメートしかいない中で大浴場に入っていくのが本当に恥ずかしかった。
何とかタオルで隠していたんだけど、私の遊戯王カードを盗みまくった大滝くんに陰毛バッサーが見つかってしまって、*2「オイ、皆でちょっと風呂から出て立ち上がって見ようぜ！」って言い出して、どうにか私の陰毛を皆に見せられない物かと必死になっていたのもよく覚えている。早野くんしかおちんちん見せなかったけど。
あと、またいつも通り書いてて思い出したんだけど、別の小学校からの編入組で、背が小さくて坊主で可愛い感じのショウヘイ君っていう子が中学校のクラスにいたんです。
で、中学の修学旅行。また大浴場での話なんですけど、また学校が一緒になった早野くんがどうしてもショウヘイ君と一緒に着替えてお風呂に入りたがったり、ショウヘイ君の布団の横にすぐ自分の布団を引いたりしてたんです。
そのあたりから「早野…？」みたいな感じになったんですけど、こう思い返してみると小学校の修学旅行でもちょっとそういう傾向があった様な…。ちんちん見せたがってたし…。実際皆見たし…。うーん…。っていうか、なんで修学旅行の話だったのに早野くんの全裸関連の話になっているんだ…？
因みに、修学旅行の大浴場で見た早野くんのおちんちん、異様に金玉袋がデカかったです。報告は以上です。
