書いている内に思い出せるだろうとはてなブログにログインすると…

何かを忘れている様な気がしたまま、パソコンを立ち上げる。


ブログを書いている内に思い出せるだろうとはてなブログにログインすると、「あ!Amazonでこの前買おうとしていたCD、カートに入れっぱなしにしたままだ!」と思い出す。たしか新品の在庫がなくてマーケットプレイスの中古品でしか販売していなかったから、配達までに1週間くらいかかるのと配送料がなかなかの物だった事もあって保留にしていたんだった早速ブックマークからAmazonにログインして、右上カートアイコンを見る。しかしカートの中身は空っぽの、表示0。「え?アレ?」と少し混乱したまま、さっき冷蔵庫から取り出して傍らに置いたペットボトルのカルピスを飲もうと椅子を少し引くと、件のCDがペッドボトルの下敷きになっている事に気付く。


その瞬間、3日くらい前に近所のTSUTAYAで中古をたまたま見つけた事、昨日そのCDを聞きながらゲームをしていた事、置き場所がなく、とりあえず机に置きっ放しにしていたCDケースの上にペッドボトルを置いた事を思い出す。
じゃあさっきのAmazonで買おうとしていた云々の記憶は何だったんだ?そもそも私は本当にAmazonでCDを探したのか?何ひとつ思い出せず呆然とモニターを見つめながら、今度は私はそもそも何がしたくてパソコンの前にいるのかが分からなくなる。


朝起きたら凄く嬉しい気持ちになった。
この前見た夢の続きだった。日本大学で芸術学部の2年生だった私が、ゼミの先生に呼ばれて「この前キミが受けた朝ドラの釈迦沢シャカ美ちゃん(多分主演役の女優だ)の次男役オーディション、最終選考まで残ったよ!」と審査員からの選評が書き込まれた封筒を受け取る夢の続きだった。その封筒を手に、私は自分が暮らしているマンションに急いで戻っていた。一緒に暮らす誰かに見せるつもりだったのか、別の目的があったのか、分からない。起きた時には、嬉しいという気持ち以外は忘れてしまった。


退職届を書く。
始めての就職だったので、勿論退職届を書くのも始めてだ。聞くと、退職届という物は会社が作った書式に習って書く訳ではなく、便箋と白封筒を買う所から自分でやらなければならないらしい。インターネットで【退職届 書き方】と打ち込み、モニターに表示された手順に従って便箋に筆を走らせる。
「それくらい社会人としての常識として知っておかないと」と今や関係ないおじさんと化した課長から催促されて、やっと書いた退職届だ。それが出来ないから私は社会人をまた辞めるのだ。今日の午前中、アパートの管理会社から「年初めくらいに仕事が決まってないと退去してもらう事になる」と電話で伝えられる。新潟は昨日、雪が降った。


本屋に行く。
店に入るとまず文庫の新刊コーナーに行き、次にライトノベルコーナーをチラ見した後に、漫画の新刊コーナー、で収穫がイマイチだった時、まだ財布に余裕がある時に既刊文庫コーナーを作者順に流し見していく。


漫画と文庫と雑誌を1冊ずつ買う。
レジを通って店を出ると、「本当にこれらは私が買いたかった物なのか?」と右手にぶら下がっている袋に困惑する。私が選んで私がレジまで持って行って私がお金を払ったのに、「何だコレは?」となる。お前が何なんだ、お前が。


確かに本屋に入る10秒前まで「買う」と決めた本があったはずなのだが、本屋に入って4秒くらいで乳輪のちょっと見える女が表紙のラノベが目に入ると全部忘れる。イヤ、忘れてる気がする。あと本屋に行くとオシッコがしたくなる。「アレを買おう」より「オシッコしたい」が私の中で全勝している。


本屋のトイレに立つ度に、時給683円の本屋でバイトしていた時に先輩だった吉川さんを思い出す。吉川さんはお客さんに本の在庫を聞かれると、店のパソコンでAmazonにログインして在庫が無いのを確認して「スイマセン、在庫が切れてまして…ウチではご用意できないんですよ」と言ってお客さんを帰らせる事でお馴染みの先輩だった。私が時給683円バイトを辞めて時給750円ゲーム屋でバイトを始めた時も、わざわざ顔を出してくれた吉川さん。「もう29だから就職無理なの…」と何故かその時だけオネエみたいな口調だったが、元気にしているだろうか。もう6年前の事なので、吉川さんは35歳になっている


何かを忘れたまま、ダラっと生活を続けてしまっている様な気がする。案の定、何を書きたかったのか思い出せないまま、ここまで書いている。この後家に帰ったら、借りていた映画を見て明日の午前中に返すつもりでいる。あれば。本当に借りていれば。本当に私がここにいるならば。