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「アウェイでもその雰囲気に負けないメンタルの充実を」という戦い方を実践していく必要がある。

スポーツにはホーム&アウェイという概念があって、それが試合を面白く見せる要素の一つになっているが、このホーム&アウェイ、スポーツだけでは無く、我々の生活にも置き換えて考える事が出来る。
自分が休息を得られる場所、趣味を楽しめる場所、産まれ親しんだ場所をホーム、その逆のストレスを感じる場所、休息を得られない場所をアウェイとすれば、人間の生活というのは大抵がアウェイゲームの繰り返しである。
『自分の時間』というのが年を重ねるに連れて減っていくのを目の当たりにすると、特にそれを強く感じるが、こうなってくると、ドラゴンズの落合監督政権時の「ホームで如何に勝っていくか」よりもサッカー日本代表の長年の課題である「アウェイでもその雰囲気に負けないメンタルの充実を」という戦い方を実践していく必要がある。




休日出勤を終え、ようやく私にもお盆休みが訪れた。


といってもこの土日の2日間だけなので、どうにもお盆という気がしてこない。こちとら根っからのインドア人間、海にもプールにも登山にもキャンプにも出掛けない私の様な人間にとっては、「夏」感を感じられるイベントと言えば、お盆休み、甲子園、クーラーを付ける事を頑なに拒みながら35度の室温の中で着実に体力を奪われていく居間のおばあちゃんを冷房の効いた自室から見守りながら録画した深夜アニメを鑑賞、くらいしか無いのである。


そのお盆休みが寝て起きて寝て起きて即終了であるのならば、私の夏の3分の1は死んだも同然であるし、もう3分の1を占める要素である居間のおばあちゃんも、温度がピークに達する午後2時くらいになると「トマト食うか」か「塩いるか」しか喋らなくなる。
多分ポケモンがHPが残り少なくなると年柄年中「ピコンピコンピコンピコン」の警告音が止まらなくなるアレと同じ仕組みなのだ。おばあちゃんのトレーナーが早くいいキズぐすりでも与えないとマズイ。


このままでは実家でおばあちゃんが経口補水液をゴクゴクやる所をボーッと見ている間にお盆休みが終わってしまうので、何となくブログを書きに、何となくスタバに(“スタ”ンガンでは電解水は作れないのよ!ミヤネ屋で何を見たの、お”ば”あちゃん!の略です)いる。
しかし、毎度毎度、喫茶店に来るたびに得体の知れない違和感を感じる事が多い。休息を得る為の“ホーム”であるはずの喫茶店が、ある瞬間だけ“アウェイ”に一転する瞬間がある。
特に違和感を感じるのが、カウンターに立ってオーダーする際の「店員さんとのやり取りの中での自身の振る舞い方」だ。

ぼく「…(レジに立つ)」
店員さん「いらっしゃいませ!こんにちは!スッカリ夏真っ盛りって感じで、毎日暑い日が続きますね!」
ぼく「…」
店員さん「寝苦しい夜も続きますが、冷房のかけ過ぎで体調を崩す人も多いようですから、夏風邪には注意!ですね。ではご注文をどうぞ!」
ぼく「…あっ……スターバックスラテをトール、あ、冷たい方で」
店員さん「ハイ!“アイス” “トール” “ラテ” をお一つですね!」




…辛い。辛すぎる。
この最後の注文の言い直しは「お前、店員である私がこうやってこっちが理解しやすい注文の言い方を提示してんだから、次回からどう注文したら良いか分かってんだろうな?」と暗に示している様にしか聞こえない。
最初の「簡単なお喋り」も『風邪?ウチはおばあちゃんが半分死にかけてるのにも関わらずクーラーを付けようとしないから、一番ヤバい人の夏風邪は心配ご無用ですよ!ガハハ!』と返答しようかどうか迷ってる内に「注文をどうぞ」の一言で打ち切りになってしまった(言われても「あっ…そうなんですか…」しか店員さんも答えようが無いけど)。考えすぎなのは重々承知しているが、それでも気になって仕方がない。


…何が望まれているか分からない。何が正解だったのか分からない。コレがアウェイの洗礼というヤツだろうか。
そういえばレジ前の列で私の3つ前にいたアラブ系の男性と店員さんが流暢な英語でやり取りしているのも『中東の笛』感があって尚の事アウェイ感を感じたし、このままアウェイでロクなパフォーマンスが出来ないまま家に帰れば、いつかファンから帰国時の空港で生卵を投げられるかもしれない。いくらそのあとに小指の甘皮を肴にアイストールラテ(と若干の血)をゴクリ!美味しい!とやっても、注文の際の不手際に「スタバ人失格」の烙印を押されたままでは全くもって納得がいかない。


しかしとは言っても『店員さんと積極的に関わろう』とも思っていない。「レジで店員さんとしっかりとコミュニケーションを取ってちょっとした小話の末での注文を成功させたい」訳でも無いのだ。私の理想の注文の仕方は『”考える”と同時に口座から240円が引かれ、テーブルに穴が開き下からジンジャーエールMがゴゴゴゴと登場』である。人を完全に排した方法で生活できればそれに越した事は無い。そもそも「アウェイでもその雰囲気に負けないメンタルの充実を」の前に、「どうやってアウェイを回避するか」という戦い方を考慮する必要があるのではないだろうか?サッカー日本代表もトヨタカップばっかり興行してるし。


「いきなりアナウンスで『店内のキモイ人ランキング』が発表されて辱めを受ける羽目になるのでは…」とお店の隅で体育座りで震えるのはもう御免なので、何とかお店サイドが「人間を排した注文のやり取り」を考案してくれないだろうか。
例えば店内に入る事なく、車に乗ったままスピーカーに向けて声を発しただけで注文が可能で、店員さんとのやり取りはお金と商品の受け渡しのみ、というシステムはどうだろか。店員さん一人一人がマイクを付け、店内での業務と同時進行で対応させれば、時間短縮にもなるし人件費削減にもなるし。
…書いてて思ったが、コレ、相当いい案なんじゃないか?特許の申請も行けるかもしれない。飲食店経営をしている皆さんには、私のこういう柔軟な発想を見習うと共に、「出来るだけ人と会わずに飯が食いたい」という観点からの店舗つくりを、是非頑張っていただきたい。新システムの名称は『座りっぱなしブーブー』にでもしておこう。