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ルール規定に従いパンスト一枚になったおばあちゃんを真っ黒なムチで叩かないといけない

MTG大会運営レポートと題して書き始めたこのシリーズももう3回目だが、まだ大会が始まらない。おかしい。ここまでおかしいのは父方の祖父が母方の祖父の葬儀で焼香の際、自分の名前が呼ばれなかった事で怒り父を亡くしたばかりで泣きじゃくる母を家族全員揃った場で怒鳴りつけた時以来だ。おかしい。


一応ここまでの流れをおさらいしておくと、大会運営におけるルール把握にてんやわんやし、手伝いを頼もうと『星の王子 ニューヨークへ行く』の如く月給15万弱という圧倒的な財力に物を言わせ、歩く度に花びらを周囲に撒く女中を従えながら私の誘いで居酒屋へとやってきた友達の社会人に「カード大会とか…もういい大人なんだから…」と鼻で笑われ、その翌日には風邪を引いて真っ白な顔をしたおばあちゃんが私の昼飯を作り、形の悪い卵焼きの表面に浮かぶ黒い点々を「コレ焦げじゃん!」と言えば「ゴマだよぉ…」と返された、という所まで来たと思う。一言も喋らなくなった祖母と笑っていいともを見ながら食う昼飯の気まずさを少しでもあなたと分かち合えるのなら幸いだ。皆さん家族には優しくしましょう。笑ってよくなる事態って、あんまり無いし。


「大会運営」といっても、意外にやる事は多い。参加費や参加定員の設定などはさておき、ルールは徹底しておさらいしておかないと「負けそうになったらテーブルをひっくり返しちゃいけないなんて聞いていない」「トゥーンだから効かないと思った」「僕の知ってるカードゲームはポケットステーションで赤外線を読み込まないと強いカードが出てこないのにコレは不公平だ」「対戦中に切断された腕の中に予めカードを隠しておいて相手をビックリさせちゃいけないなんて知らなかった」なんて事になりかねない。


という事で、まずはMTG(目玉焼きか・卵焼きしか作れない・ガリガリに痩せたぼくのおばあちゃん)公式サイトからイベント規定のルール文章をダウンロード。クッソ長くダラダラと細かい文字列が記されたプリントを印刷し、とりあえず保管しておく。例えば、料理の中から卵の殻が発見されたら、このMTGルール規定に従いパンスト一枚になったおばあちゃんを真っ黒なムチで叩かないといけない。恰も日々社会に溶け込んで生きている様な人間がこんな規定を作成したとは、全く理解が追いつかない。そういう悪魔の様な所業がつらつらと書かれているのがこの規定文章だ。


イベントを開催するのなら、必ず1部は用意しておかないといけないらしく、また例を挙げると『おばあちゃんがライフの数え間違えなどのミスをした時』には、どういったジャッジを下せばいいか。『2つの矛盾する展開におばあちゃん同士が陥った時』には、どちらに優先権があるのかなどなど、困った時にはすぐこの『ルール規定』を読めば何とかなる様だ。何回ムチで叩けとか、指と爪の間に何cmの針金を入れろとか、何Vの電流を人体に流せとか、全部書いてある。



更に覚えておかないといけないのは『その大会はどんなフォーマットで開かれるか』だ。今回開催されるのは『プレリリース・トーナメント』といって、発売一週間前のブースターパックを先行発売という形で使用し、指定のパック数で制限時間以内にデッキを作ってもらい大会を行う、という形式。この他にも『FNM』(フライデー・ナイト・マジックの略。金曜日夜に開催される事が義務付けられている大会)やブースターパック発売1ヶ月後に開催される『ゲーム・デー』、参加人数が8人を切ってしまい認定大会として認められなかったり、多人数戦などの特殊ルールを行う際には『カジュアル・イベント』としての申請が必要だったりするし、FNM(「フルハウス・NHKBSで・毎週金曜日夜8時から絶賛再放送中」)では景品としてFNM専用のプロモーションカードを渡す必要があったりと、申請ひとつ取っても把握しておかなければいけない事が結構ある。


今回の『プレリリース・トーナメント』では、大会専用のボックスがお店に配送され、その中に入ってるブースターパックやプロモーションカードでデッキを参加者の皆さんに作ってもらう事になっている。ここで早めに封入物の確認を行いたいのだが、大会10日前になっても、1週間前になっても件のボックスが届かない。だんだんと不安になる私。「見える、見えるぞ。このまま配送の不手際で当日までボックスが届かず、怒った参加者の方々に土下座させられTwitterに土下座写真を投稿される未来が見えるぞ!」と何かが脳内でフラッシュバック。時給750円で20時間ほど働きながら過ごしてると、もう大会3日前だ。


最早土下座もやむなしか。しかし「後頭部にだけでもパーマをかけてもらえば、少しは写真写りも良くなるんじゃないか」と美容室に予約を入れようか迷っていると、ここに来てようやくお店から「ボックスが届いた」との連絡が入った。喜び勇んで「ブーン!」と叫びながら軽自動車のアクセルを踏み、車をRボタン連打でミニジャンプさせながらコーナーリングさせバイト先に向かう。そして美容室のスタンプカードをビリビリに破きながら入店。さあメモでも取っておこうかと手帳を取り出しながら届いたダンボールを見ると…そこにはドッサリ40人分のボックス。「コレは…余った分は次回とかの景品とかにしますか…?」と尋ねてみると、店長は「あ、もう余らない様に全部お客さんにあげて。邪魔だし」とのこと。どうやら何も考えずに発注したらしい。ウチのデュエルスペースだと、ツメツメのキッツキツに席についてもらってもせいぜい30人前後が限界なのに、だ。


「さっき破いた美容室のスタンプカード、セロハンでくっ付くかな…」と床に這いつくばった所で準備編終了の以下次回。あとまた書いてて思い出しましたけど、手帳持ちながらお店に届いたダンボールの在庫確認した所で、それ見たバイト先の同僚の31歳男性フリーターの方に「そんな分厚い手帳持ってるんですか!頭いいんですね!」と言われました。タハハ。という事で生きてたら次回。