露呈していく過程

またアルバイトの話。最近、っていうかこの3時間前までアルバイトをしていたのだが、たまに店長に頼まれるのが「ゲームの紹介コメントPOP作り」で、コレがまた楽しい。新作のゲームがあると、大体1000文字くらいでゲームの紹介文を書いて店長からOKが出たらその場で印刷、店頭にすぐ私の文章が並ぶ。紙も印刷されたばかりの出来たてホヤホヤだ。ホヤホヤだから、書いた時には恥ずかしさやら後悔やら全く感じない。そういうのはバイトが終わってから3時間後くらいにモスバーガーで虚空を見つめている時にふとやってくる。つまり今だ。「何故あんな事になったのか・・・」という自責の念で、前の席に座っているガラの悪そうなお兄さん達がいつ私の席に座ってきてキーボードを叩く私の手の捻って指の爪を剥がすのか、ネガティブな妄想ばかりがドンドン進む。あっ、今帰った。



2日前のブログに「デッドオアアライブ5のパッケージのエロさで青少年が死んだり生きたりする」と書いたばかりの今日にデッドオアアライブ5のコメントPOPを書いてくれと頼まれた時は「ブログで書いたからか?」「監視されてるのか?」「果たして私はあんな記事を書いたばかりで、お客さんの目の前に出せる様な冷静さを保ちつつ、デッドオア アライブのエロさをお伝えする事が出来るのか?」といった不安が私を襲ったが、さっき何とか書いた。「エロい」を「誰もが遊んでみたいと思わせる様なビジュアル作り」、「おっぱいが半分見えている」を「格闘ゲームに見えない華やかさ」と無理やり代用して書いた。物は言いようだ。


こういう興味の元からあるゲームは喜んでドンドン書けるのだが、全く興味の無い、触った事も無いジャンルの作品なんかは本当に困る。私はガンダムとか、あの辺のロボット物のアニメやゲームは、危険物取扱い試験に父親が落ち続けたせいで家の方針により触れる事無く育ったので、この前発売されたPSPガンダムAGEの新作は書く時に本当に困ったし、今日書いた「わがままファッション ガールズモード よくばり宣言!」を「小さい女の子にも分かるような文章で」と店長に言われた時は、小さい女の子の半径3Mにこの十数年入った事も無い自分の人生を恨んだ。

コレは小さい女の子向けのゲームで、セレクトショップの店長になって、お客さんをコーディネートしながら店をドンドン大きくしていくタイプの「経営andオシャレの勉強もできる」的なゲームなのだが、小さい女の子には「セレクトショップ」も分からないのでは無いだろうか、とか、漢字をあまり使わない様に、とかやって、とにかく文字数を稼ぐのに必死だった。最後の方とか面倒になって「キレイ!」とか「みんなハッピー!」とか書いていたし。大体「コーディネート」とか私の語彙に無ければ、声に出して発した事も無かったはずだ。(書いてて気付いたが、もし私が店長だったら小さい女の子向けのゲームに詳しいバイトがいたら多分怖くて逆に書かせない様な気もする。)



「下ネタも使わず、言葉を選び、作品の年齢層に合わせて書く」という事が、こんなにも辛い事だったのかと愕然とし始めて3時間。Twitterの感じを抑える為にも「低所得者なので」「脳髄が無いので」という枕言葉を付ける事も許されなければ、ブログでの感じ、「父が8歳くらいだった昼寝している妹に、股間同士が当たる当たらないのスレスレを維持しながら、正常位の体制で腰を振ってるのを見た」とかそういう事も全く書けないというこの現状。「トラウマを店頭に並べて時給が貰える労働が良い」とは流石に言うまいが、少しづつ、少しづつ店に増えていく私のコメントを見る度に、何だか寒気がしてくるのは気のせいだろうか。「おーちんちんがポッコチンでー!陰茎流通センターをかっいぎょうだー!(大学生の仲間内で開業しました)」とか、そういうゲームPOPが一つくらい無いと精神的に色々マズい気がする。「おちんぽ流通センター」という単語があるゲームPOPが置いてあるお店は、私が精神科病棟に担ぎ込まれる直前に書いた文章だと思う。思うので、どこかで見かけたら手だけでも合わせて欲しい。